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平成27年度 校内研究
教育研修計画
(1) 研究主題
生き生きと活動しながらコミュニケーション力を高める外国語活動のあり方
~人との関わりを実感できるような場の工夫を通して~
(2)主題設定の理由
今日,児童をとりまく社会は急速に国際化が進み,言葉や文化の違いを乗り越えて,積極的に世界の人々と関わろうとする態度をもち,豊かな感性をもった日本人を育てていくことが,今まさに社会全体から求められている。その反面,人と人とが直接コミュニケーションをとらなくても快適に生活できるような現代社会において人間関係が希薄になり,直接気持ちや考えを伝え合うことが少なくなってきているようにも感じられる。これからの時代を担っていく児童が,国際化の進んだ社会の中で生き生きと生活していくために,自己を表現し,多様な価値観の中で,自分や相手のよさを受容し,円滑なコミュニケーションを図る能力を身につけていくことは重要である。学校教育においても,その資質や能力を育成していくことは重要な課題であるといえる。
学習指導要領の外国語活動の目標は,「外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う」ことである。本研究では,この目標における「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度」を育成するために,児童が生き生きと活動しながらコミュニケーション力を高められるような活動を設定する。それにより,外国語活動の時間を伝え合うことの楽しさや心地よさを実感できるコミュニケーションの場にしたいと考える。
昨年度までの取り組みにより,児童の外国語活動に対する学習意欲や興味・関心が高まり,進んでコミュニケーション活動に取り組む姿が見られた。そのことにより,児童のコミュニケーション力を高めていくことができた。さらに,中学校と連携した取り組みを進めていったことにより,「ゆるやかな移行」と「適度な段差」を持った中学校英語へのつながりを持たせることができた。しかしながら,児童の実態を見てみると,相手意識をもった行動がとれない児童や自己肯定感の低い児童が多いことも浮き彫りになってきている。
そこで,本年度は,本研究の2年次として,研究主題のサブテーマを「人との関わりを実感できるような場の工夫を通して」とし,外国語活動の中で,相手意識をもって相手に反応することができるような言語活動の充実を図るとともに,他の教科・領域における言語活動の充実に結びつくような授業実践を行っていく。また,児童のコミュニケーション能力をより客観的に捉えることにより,より実態に即した授業実践を行っていきたい。
以上のことから児童が生き生きと活動しながら外国語活動に取り組むことが学校教育全体におけるコミュニケーション活動を豊かにしていくことを期待して,本主題を設定した。
(3)研究の目標
外国語活動を通して,児童が外国語に親しみ,人と関わり合おうとし,自分自身や友達を認め,分かり合いたいと感じることができるような手立ての工夫を通して,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育てる指導方法のあり方を探る。
(4)研究の基本構想
本校では,学校教育目標の下,外国語活動の目標を設定した。その目標を基に,6年間の外国語活動で目指す子どもの姿を以下のように設定した。
学校教育目標 |
知恵と感性を身につけ自分に誇りをもつ子どもの育成 |
本校の外国語活動の目標 |
外国語を使った活動を通して,言語や文化,人についての理解を深め,外国語に親しませながら,人と関わり合おうとする態度を養い,自分自身や友達を認め,分かり合うことができる児童を育成する。 |
目指す子どもの姿 |
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低学年 |
中学年 |
高学年 |
○ 外国語を使った活動を楽しみ,仲よくまわりの人と関わろうとする子ども。 ○ 活動を通して,友達のよさに気付く子ども。
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○ 外国語を使った活動に関心を持ち,進んでまわりの人と関わろうとする子ども。 ○ 活動を通して,友達や自分のよさに気付く子ども。 |
○ 外国語を使った活動に関心を持ち,進んでまわりの人を理解しようとする子ども。 ○ 活動を通して,友達や自分のよさに気付き,互いに認め合う子ども。 |
研究仮説 |
外国語活動の各時間において,人との関わりを実感できるような場を工夫し,相手意識を持って,相手に反応することができるような場や活動を設定すれば,外国語活動が児童にとって生き生きと活動しながらコミュニケーション力を高められる場となるであろう。 |
研究内容 |
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平成26年度 |
平成27年度 |
平成28年度 |
人との関わり |
相手と向き合う 「笑顔」 「うなずく」 「考えながら聞く」 |
伝え合う 「聞きなれる」 「話そうとする」 「やり取りを続ける」 |
相手を知る 「自分と比べる」 「相手を知ろうとする」 「自分のことが分かる」 |
相手意識をもって,相手に反応する活動 |
○1.5往復の会話 ・何らかの反応をする |
○1.5往復以上の会話 ・会話を続ける |
○相手意識をもった会話 ・会話を深める,広げる |
Q-Uの活用 |
○ソーシャルスキルの実態の把握 |
○ソーシャルスキルの実態に応じた活動の工夫 |
○ソーシャルスキルの実態に応じた活動の工夫 |
(5) 研究の内容と方法
ア 単元開発,教材・教具の開発
(ア) 児童実態の把握(アンケート等の実施と分析)
(イ) 単元や授業における活動の配列の工夫
(ウ) 授業における効果的な教材・教具作りや提示方法の工夫
(エ) 小中9年間を見通した「英語カリキュラム」の再検討
(オ) ICT機器などを活用した授業実践
イ 場づくりの工夫
- 活動形態の工夫(コミュニケーションをとる必然性のある活動形態の工夫)
- 相手意識をもって反応することができるような手だての工夫
「反応する」ことを外国語の音声や表現への慣れ親しみに含むものとする。反応するためには,よく聞くことが必要になる。話す方は,反応してもらうことによりまた話したくなる。その相乗効果により,積極的にコミュニケーションをとることができる児童の育成を目指すものとする。
まず,ベースとなるリアクションのスキルの向上を目指す。笑顔で話を聞く,うなずきながら聞くなど親和的な態度で話を聞く態度,ジェスチャーなどを使って何とか伝えようとする態度を育てる。
その上で,学年や実態に応じたつなぎ言葉を活動の中に取り入れていく。それらの活動を年間を通して繰り返し行っていくことにより,児童のコミュニケーション力を高めていく。
ウ 教師の指導力向上のための取組
(ア) 代表者による授業研究会
(イ) 先進校の視察,各種研究会・研修会への参加
(6)研究組織について
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学年 部会 |
低学年部会 |
特別 支援部 |
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中学年部会 |
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高学年部会 |
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校長 |
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教頭 |
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研究推進 委員会 |
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全体 研修会 |
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専門 部会 |
カリキュラム開発部 |
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小中連携部会 |
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授業づくり部 |
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調査資料部 |
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三田川中学校研究組織 |
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研究会 |
主な活動内容 |
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学年部会 |
○ 学年目標・年間指導計画の作成 ○ 授業の実践・検証 ○ 単元開発 ○ 教材,教具作成 |
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専門部会 |
カリキュラム 開発部 |
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授業づくり部 |
○ 校内言語環境の充実 ○ 外国語活動実践の通信発行 |
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調査資料部 |
・昨年度までの調査項目の精査 ・児童へのアンケート調査と考察(5月,12月) |
(7) 研究推進年間計画
4月 |
第1回研究推進委員会 第1回校内研究会 |
8月 |
第5回研究推進委員会 第5回校内研究会 講師招聘による研修会 |
12月 |
後期アンケート実施 第9回研究推進委員会 第9回校内研究会 |
5月 |
第2回研究推進委員会 第2回校内研究会 前期アンケート実施 |
9月 |
第6回研究推進委員会 第6回校内研究会 |
1月 |
第10回研究推進委員会 第10回校内研究会 |
6月 |
第3回研究推進委員会 第3回校内研究会 |
10月 |
第7回研究推進委員会 第7回校内研究会 全体授業研究会 グループ授業研究会 |
2月 |
第11回研究推進委員会 第11回校内研究会 |
7月 |
第4回研究推進委員会 第4回校内研究会 全体授業研究会 グループ授業研究会 |
11月 |
第8回研究推進委員会 第8回校内研究会 全体授業研究会 グループ授業研究会 |
3月 |
第12回研究推進委員会 第12回校内研究会 |