令和元年度 校内研究

教育研修計画

(1) 研究主題

 

自他と関わり合いながらコミュニケーション力を高める外国語教育の在り方

~人との関わりを実感できるような言語活動や場の工夫を通して~

 

 

(2) 主題設定の理由

今日,児童をとりまく社会は急速に情報化と国際化が進み,言葉や文化の違いを乗り越えて,積極的に世界の人々と関わろうとする態度をもち,豊かな感性をもった日本人を育てていくことが,今まさに社会全体から求められている。これからの時代を担っていく児童が,国際化の進んだ社会の中で生き生きと生活していくために,自己を表現し,多様な価値観の中で,自分や相手のよさを受容し,円滑なコミュニケーションを図る能力を身に付けていくことは重要である。

本校では,2012(平成22)年度~2016(平成28)年度まで,国や県の委嘱を受け,外国語活動の指導とコミュニケーション活動について研究を行ってきた。その時の成果として,ほとんどの児童が外国語活動の時間を楽しみにしており,学年が上がってもその期待感を維持しながら活動に取り組むことができた。6年間を通して,スパイラル的に同じトピックや英語表現を繰り返し取り上げることにより,無理なく活動に取り組むことができ,知らず知らずのうちに結果としての英語力を身に付けることができた。その反面,課題として,活動の中で,児童に様々な友達との交流を促すにはよい手本を示したり,個別に声かけをしたりするなど手立てが必要であった。また,授業の目標を授業者が意識するとともに,児童にめあてをしっかり意識させながら授業を行うことが重要であると考えた。

そこで,本年度は,県の研究指定を受けての1年次として,研究主題のサブテーマを「人との関わりを実感できるような言語活動や場の工夫を通して」とし,以前の研究を土台として,外国語教育の中で,他者に配慮しながら相手に反応することができるような言語活動の充実を図るとともに,他の教科・領域における言語活動の充実に結びつくような授業実践を行っていく。また,児童のコミュニケーション能力をより客観的に捉えることにより,より実態に即した授業実践を行っていきたい。

 

(3) 研究の目標

外国語教育を通して,児童が外国語に親しみ,人と関わり合おうとし,自分自身や友達をはじめとする他者を認め,分かり合いたいと感じることができるような手立てや場の工夫を通して,進んでコミュニケーションを図ろうとする児童を育てる指導方法の在り方を探る。

 

(4) 研究の基本構想

本校では,学校教育目標の下,外国語教育の目標を設定した。その目標を基に,6年間の外国語教育で目指す子どもの姿を以下のように設定した。

 

学校教育目標

豊かな心でともに学び,新時代をたくましく生きる児童の育成

~かしこい子 心ゆたかに たくましく~

 

本校の外国語教育の目標

外国語を使った活動を通して,言語や文化,人についての理解を深め,外国語に親しませながら,人と関わり合おうとする態度を養い,自分自身や友達を認め,分かり合うことができる児童を育成する。

 

目指す子どもの姿

低学年

中学年

高学年

○ 外国語を使った活動を楽しみ,仲よくまわりの人と関わろうとする子ども。

 

○ 活動を通して,友達のよさに気付く子ども。

○ 外国語を使った活動に関心をもち,進んでまわりの人と関わり,相手を理解しようとする子ども。

○ 活動を通して,友達や自分のよさに気付く子ども。

○ 外国語を使った活動に関心をもち,進んでまわりの人や事柄に気を配りながら,他者を理解しようとする子ども。

○ 活動を通して,友達や自分のよさに気付き,互いに認め合う子ども。

 

研究仮説

外国語科・外国語活動の各時間において,人との関わりを実感できるような場を工夫し,相手意識をもって,相手に反応することができるような場や活動を設定すれば,外国語教育により児童の自己肯定感を高め,思いやりの心を育て,更にはコミュニケーション力を高められる場となるであろう。

 

研究内容

 

令和元年度

令和2年度

自己肯定感を

高める活動

「自分を知らせる」

 

○自分の情報を使った活動

「相手やまわりのことを考えながら,

自分を知らせる」

○場面に合わせた情報の選択・活用

他者への配慮を考えた活動

「相手を知る」

○1.5往復(以上)の会話

・会話を続けて,広げる

「相手に寄り添う」

○相手のことを考えた反応や会話

・会話を続けて,深め広げる

コミュニケーションについて

「相手に関心をもち,何とかして考えや思いを伝え合う」

○相手と仲良く活動する中で,何とかして考えや思いを伝え合う

「まわりに留意しながら,何とか考えや思いを表現し,伝え合う」

○場面や状況等に応じて,情報を整理しながら相手に十分に配慮して表現し,伝え合う

 

 

(5) 研究の内容と方法

ア 単元開発,教材・教具の開発

(ア) 児童実態の把握(アンケート等の実施と分析)  ≪調査資料部≫

(イ) 単元や授業における活動の配列の工夫 ≪環境開発部≫

(ウ) 授業における効果的な教材・教具作りや提示方法の工夫 ≪授業づくり部≫

(エ) 児童の活動を支援する教材・教具作りや提示方法の工夫 ≪活動支援部≫

(オ) ICT機器などを活用した授業実践 ≪授業づくり部≫

(カ) 小学校6年間を見通した「年間カリキュラム」の再検討 ≪環境開発部≫

 

イ 場づくりの工夫

(ア) 活動形態の工夫

(イ) 相手意識をもって反応することができるような手だての工夫

 

ウ 教師の指導力向上のための取組

(ア) 代表者による授業研究会 ≪各学年の取組≫

(イ) 先進校の視察,各種研究会・研修会への参加と研修報告会による情報共有

(ウ)  校内研修会の実施 ≪環境開発部≫


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