教育相談 職員研修
入力日
2020年8月11日
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「いのちの声を生かす」川村妙慶(真宗大谷派僧侶)『れいろう』8月号から
昨年、思いつめたある母親から相談を受けました。13歳の少女が母親に、「学校に行きたくない」と訴えてきたそうです。動揺した母親は、「学校に行かないと将来どうなるの?ちゃんとした学歴がないと、就職できない。皆にばかにされるんだよ。みじめな人生になるんだよ」と強く説得したそうです。それからというもの、少女は部屋から出て来なくなったそうです。
なぜ、少女は、閉じこもってしまったのでしょうか。それは母親が「今の自分の苦しみ」に向き合ってくれなかったからです。母親は「将来」どうなるかと未来に目を向けています。しかし、少女は「今」が苦しいのです。今が辛いのに、将来のことまで考える余裕は持てないのです。
私は「娘さんにこう呼びかけてみませんか?『何があったの?苦しいことがあったんだね。私はどんなことがあっても、あなたの味方だからね。一緒に考えていこうね』と。そこから段階を経て娘さんの命の声を生かしていきませんか」と伝えたのです。
母親は、自分の子供という意識で接しているのかもしれません。保護者ではありますが、母親も子供もそれぞれのいのちを生きているのです。「いのち」を愛し、「いのち」を感じ、自由に生かしていくことが大切なのです。
ちょうど読んでいた冊子に、教育相談に関係あるところがありましたので、先生方に紹介したものです。