
平成29年度 校内研究
教育研修計画
(1) 研究主題
小中連携による,活用力を身に付けた児童生徒の育成 ( 1年次 )
~筋道を立てて考え,表現する能力を高める学習指導の工夫~
(2)主題設定の理由
21世紀を生きる子どもは,様々な課題に対し,主体的に関わり,経験や知識を生かしながら解決できる力が求められている。また,自分の考えを表現し,仲間とともによりよいものを作り上げていく力も求められている。
本校は,吉野ヶ里町三田川中校区で,小中各1校からなり,児童のほとんどは,三田川小学校卒業後,三田川中学校に進学する。
昨年度までの8年間,本校では「外国語活動」の研究に取り組み,英語によるコミュニケーション活動を高める授業実践を行ってきた。その結果,児童の外国語活動に対する学習意欲や興味・関心が高まり,進んでコミュニケーション活動に取り組む姿が見られた。更に,児童のコミュニケーション力を高めていくことができた。そして,中学校と連携した取り組みも並行して進めていったことにより,「ゆるやかな移行」と「適度な段差」を持った中学校英語へのつながりを持たせ,中学校英語では全国平均を大きく上回る結果を残し,大いに成果を上げることができた。
しかし,近年の佐賀県学習状況調査の結果から,算数・数学科に課題が見えてきた。昨年度佐賀県の12月調査の結果から,本校児童の算数科では,「数と計算」,「量と測定」,「数量関係」領域に,観点別では特に「考え方」に課題が見られる。中学校の数学科でも同じような傾向があり,「数学的な見方・考え方」の「説明する力」に課題があるという結果であった。
このような実態を踏まえ,本校では算数科において,「自分の考えを図や言葉で表現し,根拠を明らかにして説明する力」の育成を,中学校では数学科を中心にした各教科で,「相互学習型グループ」を活用した「説明する力」の育成をめざし,小中が連携して9カ年にわたる系統だった実践を積み重ねていくことで,「活用力」を身につけさせたいと考え,このテーマを設定した。
(3)研究の目標
算数科学習において,筋道を立てて考え,表現する能力を高める学習指導の工夫を行うことにより,活用力を身に付けた児童の育成をめざす。
(4)研究の基本構想
本校では,学校教育目標の下,本研究の目標を設定した。その目標を基に,6年間の算数科の学習で目指す子どもの姿を以下のように設定した。
学校教育目標 |
知恵と感性を身につけ自分に誇りをもつ子どもの育成 |
本校の研究の目標 |
算数科学習において,筋道を立てて考え,表現する能力を高める学習指導の工夫を行うことにより,活用力を身に付けた児童の育成をめざす。 |
目指す子どもの姿 |
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低学年 |
中学年 |
高学年 |
○算数用語や基礎・基本を身に付け,それらを用いて問題に取り組むことができる。 ○自分の考えをもち,表現することができる。 |
○既習事項を生かして問題に取り組み,筋道を立てて考えることができる。 ○自分の考えを伝え合うことができる。 |
○算数の学習や生活体験の中で身に付けた知識と技能を用いて,筋道を立てて考え,表現できる。 ○自分の考えを伝え合い,よりよい考えに再構築することができる。 |
研究内容 |
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平成29年度 |
平成30年度(案) |
授業づくり |
児童の実態と各学年グループ・学年の目標に合わせた活用力の育成に向けた学習過程・学習内容の工夫 |
児童の実態と各学年グループ・学年の目標に合わせた活用力の育成に向けた学習過程・学習内容の工夫 |
学習指導 |
小中連携の視点から,「学習の5つの約束」を活用した学習規律・家庭学習の定着と工夫 |
小中連携の視点から,「学習の5つの約束」を見直し,活用力育成のための学習規律・家庭学習の工夫 |
教師の指導力向上 |
教師の授業力・指導力の向上のための取組 |
教師の授業力・指導力の向上のための取組 |
(5) 研究の内容と方法
ア 児童の活用力育成に向けた学習過程・学習内容の工夫
(ア) 児童実態の把握(アンケート等の実施と分析) とそれに基づく児童の活用力育成のための目標の設定
(イ) 授業における学習過程の共通化と効果的な課題等の提示方法の工夫
(ウ) 相互に授業参観を行うことによる小学校6年間を見通した系統的な授業づくり
(エ) 少人数・TTを活用した授業形態の工夫
(オ) 補充学習(「のびるT」など)の推進
(カ) ICT機器などを活用した授業実践
イ 学習規律・家庭学習の定着と工夫
「児童の活用力を育成する」ためには,まず学習する態度や姿勢が基盤となると考えられる。そこで,授業づくりと同じように学習規律と家庭学習の定着とその工夫も大切と考え研究の内容に設定した。
まず,「学習規律の定着」により,児童が落ち着いた学習活動を行うことをめざす。「学習の5つの約束」を活用して学習道具や学習に向かう姿勢を共通化することで,学習活動に集中する態度を育てる。
そして,「家庭学習の工夫」により,児童が安心して学習活動に臨むことができることをめざす。「学習がんばり週間」などを活用して,学習時間を設定したり学習内容を吟味したりして家庭学習を確実に行わせることで,児童が学習活動に対する疑問点等を解決しようとする態度を育てる。
それらの活動を年間を通して繰り返し行っていくことにより,児童の活用力の育成につなげていく。
- 学習規律の定着(「学習の5つの約束」を活用した学習規律徹底・定着のための工夫)
- 家庭学習の工夫(「学習がんばり週間」を活用した家庭学習の工夫)
ウ 教師の授業力・指導力向上のための取組
(ア) 代表者による授業研究会
(イ) 先進校の視察,各種研究会・研修会への参加
校長 |
教頭 |
研究推進 委員会 |
小中連携研究推進委員会 |
授業づくり部 |
サポート部 |
学習指導部 |
低学年G |
中学年G |
高学年G |
級 外 |
少人数・ TT担当 |
特別 支援 |
全体研修会 |
小中合同研修会 |
三田川中学校研究組織 |
指導部会(豊かな学びづくり部) |
(6)研究組織について
研究会 |
主な活動内容 |
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学年グループ会 |
グループの目標の設定,指導案検討 |
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学年部会 |
単元・学習内容の検討,学習指導,指導案等の作成 |
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専門部会 |
授業づくり部 |
学習過程の推進,授業の視点の検討 |
サポート会 |
「授業の視点」に沿った授業参観・報告,授業研究会等の会場設営・記録 |
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学習指導部 |
学習規律の推進・検討,家庭学習についての検討・推進 |
(7) 研究推進年間計画
月 |
日 |
曜 |
内容 |
4 |
12 |
水 |
校内研究会 全体会(研究の方向性について,校内研究計画等の提案・検討) |
5 |
8 17 |
月 水 |
第1回研究推進委員会(専門部員,授業研等の学年の役割決定) 校内研究会 全校授業研究会【3-4(提案授業)】, 各学年及び学年Gのテーマ検討① |
6 |
6 14 21
30 |
火 水 水
金 |
第2回研究推進委員会 小中合同研修会① 校内研究会 全体会及びグループ会 (各学年及び学年Gのテーマ検討②,研究授業者及び研究授業内容(単元)検討) 学校訪問 兼全校授業研【第1回】 |
7 |
11 12 20 |
火 水 木 |
第3回研究推進委員会 校内研究会 校内研究会 |
8 |
上旬 22 23 |
火 水 |
小中合同研修会②(1学期の様子を報告,2学期への課題の共有) 第4回研究推進委員会 校内研究会 |
9 |
5 13 |
火 水 |
第5回研究推進委員会 校内研究会 |
10 |
10 11 18 |
火 水 水 |
第6回研究推進委員会 校内研究会 校内研究会 |
11 |
7 15 中旬 |
火 水 |
第7回研究推進委員会 校内研究会 全体授業研究会 兼公開授業【第2回】※中学校から参観 校内研究会 全体授業研究会 兼公開授業【第3回】 |
12 |
19 20 |
火 水 |
第8回研究推進委員会 校内研究会 全体会及び学年会(本年度の考察) |
1 |
9 17 |
火 水 |
第9回研究推進委員会 校内研究会 グループ会(本年度の考察) |
2 |
6 14 中旬 |
火 水 |
第10回研究推進委員会 校内研究会 グループ会及び学年会(次年度の方向性の確認・検討) 小中合同研修会③(本年度のまとめと次年度について) |
3 |
20 |
水 |
第11回研究推進員会 校内研究会 全体会(本年度のまとめ,次年度の方向性の確認・検討) |
《公開授業》①
1.期 日 11月15日(水)
2.授業者 5年2組 龍 智将教諭(T1) 中尾 浩章教諭(T2)
3.単元名 「四角形と三角形の面積」(7/13)
4.授業の様子
「どんな見通しがたちますか?」
【自力解決の場面】
【T2の個別指導】
【グループでの伝え合い】
【全体での伝え合い】
【適用問題を解く】 【板書の様子】
【授業研究会 グループ討議】 【討議内容の発表】
《公開授業》②
1.期 日 11月20日(月)
2.授業者 1年3組 牧口 美沙紀教諭
3.単元名 「ひきざん」
4.授業の様子
「おかしが12こあります。□こたべる 【自力解決の場面】
とのこりはなんこですか。」
【全体で話し合う】 【自分の考えと比べる】
【適用問題を解く】 【伝え合いの場面】
【板書】
【授業研究会 グループ討議】 【グループ討議内容の発表】