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【電気科】人工衛星打ち上げ前試験(熱真空試験編)
入力日
2022年8月12日
内容
令和4年8月1日(月)~8月10日(水)まで、九州工業大学・宇宙システム工学科・総合研究所2号棟で人工衛星打ち上げ前試験に本校電気科の生徒が製作と試験を行いました。試験内容は、組立後の動作試験・熱真空試験・振動試験を10日間の日程内に行いました。動作試験は、8月2日に合格しました。
3日~5日までの日程で、熱真空試験を実施しました。この試験は、真空チャンバーに衛星を入れて、マイナス20℃から60℃まで温度を変化させ衛星が真空中の急激な温度変化にも耐えられるかを試験します。真空チャンバーで真空状態を実現するために約6時間必要で、そこからマイナス20℃に冷やすために液体窒素で冷やしますが、空気の媒体がない状態なので約1時間かかります。その状態を1時間キープしてデータを取得します。その後、ヒーターに通電して約1時間かけて60℃まで温度を上昇させます。その状態を1時間キープしてデータを取得します。もちろん、温度を変化させている段階でもそれぞれ、データを取得します。この温度変化を3~5回繰り返し異常がないと合格できます。ちなみに、熱は「対流」・「熱伝導」・「放射」によって運ばれますが、真空中では、空気分子がないため対流による熱伝導はありません。従って、真空チャンバー内では「放射」と「熱伝導」で冷却や加熱が行われるため時間が掛かります。熱真空試験の結果は合格することが出来ました。
8日から10日まで振動試験を行いました。振動試験は衛星を打ち上げる際の衝撃や振動と重力がかかるため、それらに耐えられるかを試験するものです。この試験は、JAXAが示した基準をクリアできないと不合格になります。今回の衛星のミッションは地球の赤外線画像による温度観測と宇宙の映像取得および宇宙の放射線測定です。このため、カメラを3個搭載しており、カメラのレンズや赤外線フィルタが衝撃や振動に耐えられなければならないため、心配される部品です。このため、本校生徒が慎重に組み立てています。この試験の結果は後日発表されます。本校参加生徒は、電気科3年生の6名です。
池上 朗さん
浦郷 蒼空さん
江口 諒さん
梶原 煌大さん
副島 英明さん
永野 愛翔さん人工衛星の全部品(この状態から組立てます)
熱真空試験前の各種センサーを取り付けて組立てた衛星
熱真空試験装置に衛星をセットする様子
熱真空試験の各種センサーの設定
熱真空試験装置(PCと接続して試験する)
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