三味線と長唄に親しもう その2
入力日
2022年2月3日
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「特別非常勤講師制度」という制度があります。これは、都道府県教育委員会に届け出て、教員免許状をもたない方を非常勤の講師に充てる制度です。優れた知識や技術を有する人材を幅広く学校教育に活用させてもらうことにより、学校教育の多様化への対応、学校教育の活性化などをねらいとしています。
多良小学校では、4年、5年、6年生の音楽科の授業で我が国の伝統的な音楽について学ぶ機会として、長唄演奏家・三味線方の杵屋五洲(きねや ごしゅう)先生を特別非常勤講師としてお招きして、授業をお願いしています。
2月2日(水)はその2回目であり、5年1組の子どもたちが授業を受けました。最初に、三味線で演奏された「新曲浦島」(の一部)を聴いて、子どもたちは「どんな様子を表した音楽なのか」をイメージしながら聴きました。
「戦いの様子」「祭りで踊っている様子」など様々なイメージを発表してくれました。さすが、5年生ですね。
五洲先生のお話によると、冬の荒れた海、それも有明海とかではなく、北陸や東北の日本海側の荒れた海の打ち寄せる波の様子とのことでした。その話を聞いて、うなずいている子どもたちもいて、イメージが湧いたのかなあと思いました。
次に、五洲先生のレクチャーとともに、日本の四季(春夏秋冬)を感じさせる長唄を三味線の演奏で聞かせてもらいました。
虫の音に秋を感じることや雪が降る音など実際は聞こえない音を感じ取る日本人ならではのすばらしい感性にも触れながら、演奏を聞かせてもらいました。演奏後に、「最も気に入った曲」を尋ねると、5年1組の最初のグループの子どもたちは夏と秋がとても人気でした。あとのグループの子どもたちは「夏」「秋」「冬」が好きだという子どもたちが均等にいたように思います。子どもたちの感性も様々ですね。
そして、三味線という楽器と長唄という音楽についてのお話を聞きました。三味線はいろいろな生き物の恩恵でできていることを知りました。子どもたちは興味深そうに、身を乗り出して三味線を見ていました。
後半は、実際に長唄を歌うことに挑戦しました。歌うのは長唄「勧進帳」の最初の部分「これやこの 往くも帰るも別れては 知るも知らぬも 逢坂の山かくす」という部分です。
五洲先生が歌うのを一生懸命に聴いて、模倣しながら、歌っていきます。
実際に歌ってみて「一つの言葉で長く延ばしている」「延ばしながら音を上げたり下げたりしている」「声の出し方がお腹から出す感じ」など、いろいろな気付きが聞かれました。歌ってみると、長く伸ばす部分の息が苦しく、顔を真っ赤にして頑張っている子どももいて、健気だなあと思いました。子どもたちの一生懸命さが伝わってきました。
最後に、長唄「多摩川」の一部を聞かせてもらいました。
5年生の子どもたちは興味深く、五洲先生の演奏を聴き取り感じ取っていました。前日には、音楽の授業で「春の海」を鑑賞し、本物の箏(そう)と尺八を見たばかりでしたので、この日はすばらしい三味線や長唄の音色を聴き、日本の伝統音楽や楽器や歌い方に接することができた2日間でした。
来週の水曜日は6年生の授業を予定しています。
楽しみです。
授業の後も、興味深そうに質問に来る子どもがいました。