ペア研(3年2組・樋口先生)
入力日
2021年1月28日
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1月28日(木)の1時間目は3年2組で樋口先生のペア研の授業を参観させてもらいました。樋口先生は、来週、体育の授業で初任研の授業を控えている中ですが、昨日の井上先生とのペアでこの日は、算数の授業に取り組んでいました。この日も子どもたちが活躍する、よい授業でした。
単元は「三角形」です。「二等辺三角形や正三角形について、その分け方や意味を理解し、作図する方法や核の大きさを考えたり調べたりすることを通して、三角形の性質を捉えることができるようにし、身近な生活や学習に活用しようとする態度を育てる」ことをねらいとしています。
大人にとっては、当たり前のようなことですが、子どもたちはここで「二等辺三角形」や「正三角形」を学ぶのです。コンパスもだいぶ上手に使えるようになっていました。
めあては「円を使った三角形のひみつを見つけよう」でした。
最初に、これまでの学習を振り返り、「二等辺三角形」「正三角形」について思い出し、コンパスを使った円のかき方も確認しました。(算数の授業は、既習の学習事項をきちんと押さえておくことが特に大切です。)
はじめに、コンパスで円をかき、その円の中心から周りに向かって一本の線を引きます。同じように中心からもう一本、自由に線を引いて、円の周りと接したところ同士を結ぶと三角形ができます。
「これらの三角形は二等辺三角形になる?」「なるのであれば、それはなぜなのか?」ということを考えていました。まずは、個人で考えています。樋口先生も子どもたちの考えに一生懸命、耳を傾けています。
考えたことをペアやグループで伝え合い、考えを広げています。
「三角形の辺の2つは等しくて、もう一つは違うから」「2つの辺は同じでもう一つの線はちっちやいから」など、いろいろなわけが出てきていました。少しずつ、「2つの辺がなぜ、等しいのか」というところに迫っているペアもあったようです。ペア活動やグループ活動では、単にお互いの考えを伝え合うだけでも、いろいろな考えが知れてよいのですが、例えば、「お互いの考えの違うところを探そう」とか「学級のみんなに紹介したい最も分かりやすいものを選ぼう」など、ペアやグループで考える際のゴールを明確にすると、より活動の質が高くなると思います。
3年2組の子どもたちは全員の前でも、進んで自分の考えを発表することができます。素晴らしいことです。
最後は「これらの三角形は二等辺三角形です。」「わけは2つの辺が円の半径で長さが等しいからです。」ということで、子どもの発言をもとに樋口先生がまとめられました。将来的には、子どもたちの完全ではない言葉や表現をみんなで吟味して、数学的に整った表現としていくようなことをできるようになると、子どもたちのより実感を伴った理解につながるのではないでしょうか。
最後に、「では、正三角形はどのようにしてかけばよいか?」ということをみんなで考えました。
これはなかなか苦戦していましたが、「コンパスを使うとよい。」という発言から、実際に黒板で大きなコンパスを使って、みんなで考えてみました。
子どもたちの思考が巡らされた面白い授業でした。樋口先生は初任の先生ですが、うまく子どもたちの考えを引き出すことができています。今後は、子どもたちの多様な考え、言葉足らずの発言や不完全の発言を上手に取り上げ、整理しながら、子どもたちの確かな考えにしてあげられるように腕を磨いてほしいと思います。
3年2組の皆さん、ありがとうございました。
樋口先生、お疲れ様でした。
余談ですが、最初に円の中心から周りに向かって2本の線を引くときに、一直線に引いて、直径にしてしまった子どもがいました。2本の線が重なることを考えないと、唯一、三角形がつくれない2本の半径になるのですね。(その子どもは、そのことが分かって引いていたようです。)授業の本筋からは外れますが、面白い発見だなあと思いました。樋口先生、「Oh My God!」でした。