1学期終業式訓話
入力日
2020年8月7日
内容
今年は、いつもの年にない学校生活でした。そう、新型コロナ感染症という今までにない初めての問題が突き付けられ、しかも、正解が分からない、いつまでに解けるのかも分からない、日々刻々と状況が変わる中、みんなで一緒に意見を出し合いながら、取り組んだあわただしい4か月でした。
4月末から5月にかけて休校があったので、夏休みを返上して今日まで授業をしてきたわけですが、皆さん、長かったですか?
学校全体が、8月のこの時期まで授業を続けることは、これまでにない、初めてのことでしたので、正直、とても心配していました。
でも、皆さんの様子を見ていると、こちらの心配をよそに、とても元気に学校生活を送ってくれていて、たいへんうれしく思いました。皆さんの笑顔、元気なあいさつに心から感謝します。ありがとう。
4月6日、始業式や入学式で、僕は皆さんにどんな話をしたか、覚えていますか? それは、「うさぎとかめ」「北辰(北極星)」、1年生には「夢(なりたいしごと)」の話でした。
つまり「目標を持とう」ということ。そして目標を立てたら、そこから決して目をそらしてはならないということをお話ししました。
今年は、スポーツにせよ、文化芸術活動にせよ、県大会や全国大会が全部中止になったという話は、低学年、中学年の皆さんも聞いたことがあるでしょう。
そういう中、本校の多くの部員・選手の皆さんが「目標がなくなり、どうしたらいいか分からなかった」と言っていました。
それまでは「目指せ県大会」とか「打倒○○中」とか、「試合」を前提にした、分かりやすい、みんなで共有しやすい目標ではなかったかと思います。
でも、コロナのせいで、大会や試合ができなくなり、目標を「相手との勝ち負けや順位にこだわらない、自分の中で設定した別の目標」に代えざるを得なかったわけです。
ところで、僕はここ数年、マラソンというか、ジョギングに取り組んでいて、一か月に300キロ、年に2回のフルマラソンを自分の目標にしています。想像できますか?
もともと走るのが嫌いな僕が、こんなに、走ることにこんなに「はまる」なんて思ってもみませんでした。でも、それはなぜだろうと、時々考えます。
「走るだけなので、お金はたいしてかからない」から。「健康にいい」から。いろいろ理由はありそうですが、一番大きな理由は、「人との勝負ではなく、自分への挑戦を楽しめる」からだと思っています。
つまり、人と競争して「勝った」、「負けた」ではなく、自分で決めた目標が達成できたかどうか、が大きな問題なのです。
だから、僕は、大会に出ても、順位なんかまったく気になりません。あの人より早かったとか、この人より遅かったとかいうことには、関心はありません。
それよりも、「タイムがどれだけ伸びたか」とか、たとえタイムが遅くても、「気持ちよく走ることができたか」とか、そうしたこととっても重要なのです。
僕が何を言いたいか分かりますか?
つまり、目標は、外から与えられたものではいけない。人と比べる目標では、まだまだだということです。目標は、自分がみずから考え、本気で達成しようと決めたものでなくてはならないのです。
朝、登校してくるとき、渡り廊下に掲げられた横断幕を見ていますか? 多くの皆さんがそこをくぐって玄関に向かっていますよね。
そこには、学校目標「夢に向かって生き生きと輝く児童の育成」と書いてあります。
君たちには「夢」や「目標」がありますか? 4月に立てた目標は何でしたか? これまで、何ができるようになりましたか?
「生き生きと輝く」とは「それに向かって一生懸命汗を流す」ことです。それがどれくらいできましたか。あるいは「生き生きと輝けた」と感じることが1学期に何回ありましたか?
これから、2週間という短い夏休みですが、みなさんには、少しだけゆっくりできる時間が与えられます。その中で、1学期の疲れをとりながら、一息ついて、「自分の目標は何だったか」、「今どれくらいその目標が達成できているのか」、「その目標は自分にとって本当にふさわしい目標だったか」、あるいは、「将来の夢は持てているのか」、「自分には志はあるのか」、暑い中ですが、こうしたことを時々考えながら、自分を見つめなおし、いつもより余裕がある日々を大事に過ごしてください。
それから、しばらく学校生活から離れるので、くれぐれもこの東原庠舎中央校の児童生徒であるという誇りを忘れないで行動してください。中央校は、「深山大沢龍蛇を生ず」(深い山、大きな水のあるところに龍の如き大人物が生まれる)学校だと思っています。
では、みなさん、元気で、また、8月24日(1年生は9月1日)に再会しましょう。
※終業式は、感染症対策のためビデオ通話を利用して実施いたしました。
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