始業式校長訓話
入力日
2020年4月6日
内容
全校の皆さん、おはようございます。学校長の下村昌弘です。令和2年度1学期のはじまりにあたり、少し話をします。
皆さん、久しぶりの学校はいかがですか。なんだかむずむず、わくわくですよね。「よーし、今年は気持ちを入れ替えてひとつ頑張ってみよう」、そんな気持ちではありませんか。今のその気持ちを大事にしてください。
さて、ひと月前の3月上旬、新型コロナ感染への対策で、急に学校が休みになりました。みんな突然のことでびっくりしただろうと思います。
今も感染が拡大していて、オリンピックが延期されるなど、世の中はまだ落ち着きません。佐賀県でも感染者が増えてきていて、予防対策をしっかりしなければなりません。
そんな中、皆さんは、ひと月もの間、自分の家を中心にして、よく頑張りました。自分だけで自分の生活リズムをコントロールことはとても大変だったことでしょう。でも、これも自立のためのいい訓練になったとも言えます。自分を厳しく律することの難しさと貴さ。これを感じられたとしたら、素晴らしいことです。
今日からは、手洗いを頻繁にするなど、しっかり注意をしながらの生活になりますが、またみんなと一緒に学校生活を思い切り楽しみましょう。
そこで、今日はその始まりに当たり、2年生から9年生の全ての皆さんにこの話をしたいと思います。
それは「目標をもとう」ということです。
これから、この「目標を持とう」ということについて、まずは、2年生、3年生、4年生の低学年のみなさんに向けて、次に、5年生、6年生、7年生の中学年の皆さんに向けて、最後に、8年生、9年生の高学年の皆さん向けて、3つに分けて話をします。
自分の学年に向けた話の時には「しっかりと」、他の学年の時には「聞き耳を立てて」聞いてください。
まずは、低学年のみなさんへのお話です。
「うさぎとかめ」の話です。皆さん、知っていますよね。
うさぎに歩みの遅さをばかにされたかめは、かけくらべをする。
かけっこをはじめるとうさぎはどんどん先に行き、かめは見えなくなってしまう。うさぎは余裕で少しかめを待とうと居眠りを始めた。その間にかめは着実に歩みを進め、先にゴールしてしまう、という話。
ここでの教訓・教えはなんでしょう? ちょっと考えてみてください。
うさぎの立場から言えば、「思いあがって油断しては失敗する」。
かめの立場から言えば「歩みが遅くてもコツコツやれば大きな成果が得られる」といったことでしょうか。
では、そこで問題です。
では、もう一回かめがうさぎと競争したら、果たして、かめは勝てるでしょうか? ちょっと考えてみてください。
私は、おそらく、2度とかめは勝てないと思います。
残念ながら、うさぎもそこまで愚かではないでしょう。
でも、それでいいと思います。
かめはかめで、勝とうが負けようが、コツコツがんばるところが素晴らしい。
皆さんには、自分と他の人とを比べるのではなく、自分の目標をしっかりもって、そこに向かってがんばりを積み重ねていく人になってほしいと思います。
次に、中学年の皆さんへの話です。
同じ「うさぎとかめ」の話です。
では問題です。なぜカメはウサギを起こしてあげなかったのでしょうか? ちょっと考えてみてください。
あなただったら起こしてあげますか、どうしますか?カメはずるかったのでしょうか? 勝つためにはこれしかないと思ったのでしょうか?
私は、そうではないと思います。
かめはどこを見ていたでしょう? それを考えてみてください。
かめの視線の先には、きっとうさぎの姿はなかったでしょう。かめが見ていたものは、そう、山の頂上、つまりゴールです。つまり、かめはゴール、いわば「目標」しか見ていなかったのだと思います。
それに比べ、うさぎはどうでしょう。
うさぎは、かめのことばかりを気にしていたのではないでしょうか? うさぎは後ろを振り返ってばかりいたのではないでしょうか?
中学年の皆さんには、「しっかりと目標をもって、そこから目をそらさずにいてほしい」と思います。
では、最後に高学年の皆さん。
特に9年生の皆さんにとっては、今年はある意味、勝負の年ですね。
そこで、この言葉を送ります。漢文を少しは読むことができますか?
これは「論語」の「為政篇」にある言葉です。
「北辰(ほくしん)の其(そ)の所(ところ)に居(お)り、衆(しゅう)星(せい)の之(これ)に共(そろ)ふがごとし」
その意味・現代語訳を書いています。
ここでいう「北辰」とは北極星のことです。
全ての星は北極星を中心に回っています。理科でも習いましたよね。
「北極星が、あるべき場所にあれば、周りのたくさんの星たちはそれに従って配置されるものだ」という意味です。
そこで、③解釈についてですが、ここでは、その「北極星」を「自分の目指す目標」に置き換えてみてください。
「目標をしっかりともてば、たくさんのやるべきことはおのずとわかってくる。」と読めますね。
その目標である一点を中心に、全てのものごと、例えば、「勉強」や「部活動」など、あらゆる自分のなすべきことが、きちんと回っていくイメージです。
この「目標」である「北極星」がしっかり定まっていないと、周りの星たちはバラバラになってしまう、つまり、やるべきことが分からなくなってしまいます。
高学年の皆さん、どうか、自分の目標をブラさないで、しっかりと定めてください。そうすれば、おのずと自分のなすべきことが見えてきます。意志あるところに道は拓けるのです。
では、全校の皆さん、、、
「目標をもとう!」
今日は、学年の始まりに当たり、一人一人が目標をもって頑張ってほしいという願いから話をしました。一年間、目標をもってしっかりがんばりましょう。
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