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教育課程

 

令和6年度  佐賀市立小中一貫校富士校中学部 教育課程

 

1 学校の教育目標

◆教育目標  「地域を担う夢に向かって伸びゆく富士っ子の育成」

・一人ひとりに基礎学力を身につけさせ、思考力・判断力を高める。

・「ひと・もの・こと」との関わりを通して、自他の生命を大切にし、郷土を愛する心豊かな生徒を育てる。

・心身ともに健やかでたくましい生徒を育てる。

 

2.本校の教育の特色

めざす学校像 「誰もが行きたくなる学校」

・ 常に創造的で活気に満ちた学校

・ 心の居場所となる安心できる学校

・ 地域に学び、地域とともに育つ学校

 

めざす生徒像 「自分自身を誇れる生徒」

・夢や目標をもって自ら学ぼうとする生徒

・お互いを認め合い、高め合おうとする生徒

・ふるさとの魅力を自らの言葉で発信できる生徒

 

めざす教師像 「明確なビジョンをもち、ポジティブに行動する教師」

・子どもを愛し、確固たる使命感をもって行動する教師

・常に前向きで、チャレンジする教師

・子どもに学び、地域に学ぶ教師  

 

◆ふるさと富士町を誇りに思う気持ちを高める教育活動の推進

 ・ふるさと富士町のよさを知り、ふるさとへの誇りが高められたような教育活動を、道徳教育を始めとして教科横断的に実施する。

・地域の教育資源や人材などを活用した体験活動を行う中で、ふるさと富士町への誇りを高めさせていく。

 

◆SDGsが掲げる目標と本校の目標を照らし合わせ,可能な部分から具体的な実践を図る。

 

3.教育計画

(1)本年度の教育の重点

 

◆ 「五感教育」の推進 - わかる授業づくりと家庭学習への取組

・ 地域の教材や人材を活用し、学習意欲を高める「授業づくり」

・「わかる授業」づくり

・ 少人数によるきめ細かな指導の充実

・ 家庭学習の定着と充実

 

◆「生徒理解」・「不登校対策」の推進 - 生徒を中心に据えた心の絆&居場所づくり

・ 木の温もりを生かした安らぎと落ち着きを感じる学校環境づくり

・ 生徒会活動の活性化

・ 誰もが富士校中学部生徒としての自己有用感を感じる指導方法の工夫

 

◆3連携「小中連携・家庭連携・地域連携」の推進 - コミュニティ・スクールとしての絆づくり

・ 小中における児童生徒間,職員間の交流活動の推進

・ 家庭や地域との「誠実に」「正確に」「迅速に」を心掛けた信頼関係の構築

・ 家庭や地域との適切な情報提供による共通理解と連携の強化

 

◆ 教職員の資質向上と働き方改革を受けての取組の充実

・ 校内研究の充実

・ 教育公務員としての自覚ある行動の徹底

・ 楽しく充実した職場環境づくり

 

(2)佐賀市の特色ある取組について

①幼保こ・小・中連携の取組

 

◆ 小中一貫教育

・平成26年度に小中一貫校として開校し、小学部から中学部への円滑な移行を図ることにより、9年間を見通した確かな学びと豊かな心の育成を推進している。

・毎年度、小学部と連携し、組織づくりや授業づくりについて、富士校ならではの小中一貫教育のあり方について協議・模索する。また、互いの職員が授業を参観し合い、可能な限り授業研究会に参加するようにする機会を設ける。

・小学部との距離が離れているため、年間計画に基づいて効率的に授業や交流活動に取り組む。令和4年度からは、6年生が年8回、5年生が年4回、中学部の校舎で生活する日を設定しており、異学年交流活動や乗り入れ授業もその日に実施している。

・6月の佐賀市フリー参観デーの日に、乗り入れ授業、異学年交流活動を行い、保護者や地域の方々に小中一貫教育の日頃の成果を発信する。

 

◆乗り入れ授業

・小中合同協議会で話し合った年間計画をもとに、中学部の教師(ほぼ全教科)が小学部で授業を実施する。

・T1、T2の役割を明確にし、小中の職員で授業前の打ち合わせを充実させ、事後の反省を次回へ生かす。

 

◆交流事業

 これまで継続している異学年交流の取組を見直し、より効果的な実施方法を探り、小学部の児童との「ふれあ

い活動」の活性化に繋げていく。

   (1) 学校行事

    小中合同体育大会、中学部文化発表会

        中学部部活動体験、小学部富士小フェスタ等 

        * 小中合同体育大会は、令和6年度で9回目の開催となる。

   (2) 異学年交流

   絵本の読み聞かせ交流、外国語交流

       箏交流、ようこそ5年生

       椎茸のコマ打ち体験 等

 

◆生徒理解と支援

   配慮を要する児童生徒について、小中の職員の共通理解を図るため、小中合同会議での情報交換(特別支援委会、生徒指導協議会の定期的な開催等)を継続して行う。また、QUテストを小中全学年で実施し、結果をファイルに綴って引継ぎをしながら生徒理解の手立てとする。

 

◆小中共通の取組

 小中共通の「家庭学習の約束」や「生活の決まり」を活用し、学習習慣や規則正しい生活の定着を図る。

 

②「いじめ・いのちを考える日」の取組

 

◆毎月の生徒集会でいじめ撲滅のための宣言文(いじめゼロ宣言)を唱和し、いじめ撲滅の意識を高める。

◆毎月生活アンケートを実施し、嫌な思いをしている生徒がいないか生徒の実態把握をし、教育相談につなげる。また、善い行いをしている生徒名を書く欄を設け、互いのよいところを認め合う雰囲気を作る。

◆毎月定期的に教師または、地域コミュニティによる講話を行い、心を耕す取組を継続して行う。また、12月の人権週間に合わせて、人権集会を開催し、人権意識を高め、「いじめ」をはじめとする学校の中の課題を自ら解消していこうとする態度やいじめを許さない体制づくりを心がけ、常に生徒へ働きかけていく。

 

③市民性を育む取組

 

◆本校が位置する富士町は、嘉瀬川ダム建設に伴って多くの住民が転居を余儀なくされた。人口流出の影響や少子化を受けて、中学部の生徒数も30名程度という状況となっている。また、2つの小学校の統合を経て、小中一貫教育の推進を掲げた「小中一貫校富士校」となって、今年度で12年目を迎える。「佐賀に誇りと愛着をもつ子どもを育てる」という視点で、平成30年度から「学校運営協議会」制度を導入し、地域とともにある学校づくりに邁進している。他の町にない富士町ならではの魅力を発見・実感し、故郷を誇りに思う子どもを育てるとともに、一社会人となって地域の次世代を担う人材を育成するための取組とする。

 

◆生徒会活動、学級活動を生徒が主体的に活動に取り組むものとし、多くの活躍・承認の場を設定して活力ある学校の柱とする。また、古湯映画祭やしゃくなげの郷ハーフマラソンなど地域行事へボランティアなどとして協力していく。

 

◆学校行事、小中交流行事に生徒が主体的に関わる出番を作り、学年や校種を超えて認め合う関係づくり、集団づくりを行う。

 

[Ⅰ型]  地域行事への積極的参加、伝統行事の理解と継承に努める生徒を育成する取組

・ 富士町内にある鮫島病院への看護体験や保育園への保育体験を教科・領域に位置づけ、自己の生き方を考えさせるとともに、地域への感謝、貢献する心を育てる取組とする。

 

[Ⅱ型]  地域の産業や農業、文化財の教材化を図り、社会体験活動に参加させる取組

・ 町内の事業所を中心に、第2学年で職場体験を行い、社会の中で体験活動に参加させる取組とする。

・ 総合的な学習の中で、生徒会の取り組みであるパワーアッププラン(地域活性化)と連動して、地域の産業や農業についての調べ学習、椎茸コマ打ちから栽培と給食の食材の提供までの食育など、地域の特色を活かしふるさとに愛着をもたせる取組を行う。

・郷土の題材を道徳科の教材として、3学年を通して取り入れ、系統的に学習して実践を積み重ねる。

 

◆いじめゼロの宣言を浸透させ、主体的に判断し行動する生徒を育み、いじめを許さない学校づくりをめざす。

 

(3)指導の重点7項目

①「いのち」を守る教育の充実(安心・安全な学校づくり)

◆道徳教育の全体計画及び別葉を評価・改善し、学校教育全般を通して行う道徳教育の改善・充実を図る。

◆地域や家庭と連携した特別の教科道徳の授業を行う「ふれあい道徳」では、その趣旨に基づき、各校の実態に応じた実施を教育課程に位置付ける。

◆教育活動全般を通して行う道徳教育について、指導の重点を学校・児童生徒の実態に応じて記入する。特に、「郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度」の指導を重視する。

◆体験活動等を生かした取組、保護者や地域の方々をゲストティーチャーとして招いたり、保護者が授業に参加・参画したりするような外部人材を活用した取組等、多様な学習の場や方法を工夫し、教育課程に位置付ける。

◆災害の直接の原因となる郷土の自然を知り、恐ろしさだけでなく自然が人間生活に与える恩恵も理解させる。地域の方の話を聞き、地域の歴史を学び、将来起こる災害に備えるため地域の外部人材を活用する。

◆安全学習では、教科における学習だけでなく、生徒が主体的に災害について学習できるよう学校行事や総合的な学習の時間についても防災、安全教育の内容を盛り込む。

◆80%を占める森林や気象条件、温泉の観光地でもある社会的状況を踏まえた防災教育を進めるため、想定される防災・安全・不審者対応等を計画する。

 

②主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善(学力向上)

 9年間を系統立て、計画的に小中連携して学力向上に取り組んでいくために、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の3つの視点に立ち、さらに、3つを柱として、今までの実践の継続と充実を目指し、授業づくり・改善に取り組んでいく。

 

3つの柱

◆小中一貫教育、9年間を貫く学習スタイルとしてユニバーサルデザイン教育の視点を取り入れ、分かりやすい授業をめざす。

◆学習意欲の向上や少人数授業を生かしたきめ細かな指導の充実を行い、個を大切にした授業を工夫する。

◆学習習慣・生活習慣の充実を行い、学ぶ集団へと意識改革を図る。

 

【主体的な学びの視点】

・生徒が本時の見通しをもつことができ、また、主体的に授業に臨むことができるようにするために、「めあて」と「まとめ」の提示と「振り返り」の方法を工夫する。

・月曜日の朝、国語、数学、英語、理科、社会のローテーションで朝テストを実施する。再テストの実施や課題の追加を個別に行い、基礎知識の定着を図る。

・予習、復習の意義を生徒が理解し、主体的に家庭学習に取り組むような手立てをとる。

・自主学習ノートの取組をとおして、家庭学習習慣や基礎基本の定着を図る。よりクオリティの高い学習ができるように、学習の仕方、学習時間の作り方、事例紹介や工夫点などについて一斉指導をする。提出された自学ノートは教科担任が内容のチェックを行い、専門的なアドバイスをしたり、必要に応じて個別指導を行ったりする。 

 

【対話的な学びの視点】

・「話し合う活動」、を取り入れた授業づくりをおこなう。

・他者との協働によって学びを向上させるために、学習課題を明確にし、ペア活動やグループ活動を効果的に仕組む。

・道徳、学活、朝の会、帰りの会などの日々の活動を通して、支持的風土のある集団づくりに取り組む。

 

【深い学びの視点】

・汎用的な能力の育成をめざして、学級活動、学校行事、生徒会活動などの場面でも、話し合う、説明する、共感的・批判的に聞くといったような言語活動の充実を図る。

・「話し合う活動」が効果的に機能するようにするために、適切な学習課題を設定する。また、話し合いが効果的に機能するようにするために、教師のファシリテーションスキルの向上を目指す。

・ICTを活用し、個別最適な学びと協働的な学びを推進するような授業づくりを行う。

 

【小中一貫の取り組み】

・小学部への乗り入れ授業で、9年間の系統的な指導を実践し、小中の発達段階に応じたよりよい指導法を探る。

・教育のユニバーサルデザイン化の視点(「焦点化」「視覚化」「共有化」)を取り入れた授業実践を全教科・全領域で行う。

・支援を要する生徒の支援計画に基づいた対応や指導を、全職員で共通理解して実施する。

・「立腰教育」「聞く態度」「話す態度」「学びの心得」を小中共通で取り組み、学習規律の周知徹底をする。

・小中共通の「家庭学習の手引き」を保護者に配布し、家庭と連携して家庭学習を充実させる。

 

③特別支援教育の充実

◆生徒の教育的ニーズを把握し、全職員が共通理解を図った上で、個々に応じた支援を行う。教育相談、生徒指導等とも連携を図り、支援が機能的に行えるようにする。

・全職員で支援を行うため、週1回の職員朝会や生徒指導朝会、月定例の生徒指導協議会・特別支援教育委員会において、生徒の情報交換を密に行う。また、状況に応じてケース会議を開き、情報の共有化を図り、支援の確認や改善を図るより良い手立てを検討し、保護者と連携し個に応じた支援計画を立て支援を行う。

・支援を要する生徒に対しては、関係機関等の巡回相談を活用し、助言を受けたり、校内研修の機会を活用したりして、全職員でスキルアップを図る。

・授業のユニバーサルデザイン(UD)化を継続して行い、「焦点化」・「視覚化」・「共有化」で、誰もが学びやすい環境をつくっていく。

・必要に応じて「個別の指導計画」「個別の支援計画」の作成を行う。

◆ 小中共通の取組として、以下のことを行う。

・児童生徒理解をより深め、適切な支援ができるようにするための校内及び小中合同の特別支援教育研修を実施する。

・支援を要する児童生徒の実態や支援の手立てについての情報を共有できる場を、小中合同で定期的に設定する。特に、6年児童の情報については、学年末に引き継ぎを行い、継続的な支援が確実にできるようにする。

 

④生徒指導の充実

◆全職員が一体となって取り組み、生徒との信頼関係を確立する。

 

1重点目標

・生徒心得を基に、はつらつとした日常の生活行動を通じて、より良い習慣を身につけさせる。

・校舎内外の美化整備に努め、奉仕的態度を身につけさせる。

・いじめや問題行動等の未然防止、早期発見と早期対応・改善に努める。

・様々な場面で生徒に関わり、生徒理解を深め、個に応じた支援に努める。

◎具体的に次のことに留意し、共通実践を行う。

・凛としたあいさつ、場に応じた言葉遣い、清潔な服装等、随時、指導を行う。

・生徒心得については、生徒の実情、保護者の考え方、社会の常識、時代の進展等を踏まえ、適宜、検討・見直しを行う。その際は、生徒会にも呼びかけ、生徒指導部を中心に、話し合いでよりよいものに変化させていく。

・積極的指導を意識した清掃指導を行い、教員も生徒と共に清掃を行う。

・問題行動が発生した場合は、緊急連絡方法や協力体制に基づいて、迅速に対処する。

*実践過程で生じた問題等は随時、職員会議や生徒指導部会、生徒指導協議会で話し合う。また、毎月生活アンケートを実施し、生徒の実態把握をするとともに毎月の生徒集会の中でいじめゼロ宣言を唱和し、「いじめ」を見逃さない、許さない強い姿勢で指導にあたる。

 

2生徒指導の充実を図るために家庭、地域及び関係機関との連携に努める。

・学校便りや学級便りを通して、生徒の様子を伝え、保護者との人間関係作りのきっかけにする。

・保護者との対話に努めるために、授業参観、学年PTA、PTA総会、保護者面談、地区懇談会等の在り方を工夫する。

・NPO法人等から講師を招聘し、生徒や保護者向けに情報モラルについての講話を行い、啓発する。

 

 ⑤ 人権・同和教育の充実

◆基本方針

・教育活動の全領域において、人権・同和教育の実践に計画的に取り組む。

・差別の現実に学び、部落問題への正しい認識を持ち、差別を許さない心情を育てる。

・人と人をつなぎ、お互いが価値ある存在であることを理解させる。

・生徒の自己実現をめざすために学力保障に努めるとともに、小学部と連携して、人権・同和教育に関する教師の指導力向上のために研修の充実を図る。

・学び合い・認め合いの学習を通して、お互いを尊重するような仲間づくり・人間関係づくりを行う。

◆指導・実践事項

・毎月1日を「いじめ・命を考える日」として位置づけることで、生徒の人権意識を高める。

・小学部で行われている人権教室とのつながりを図るため、中学部においても教師または、地域コミュニティによる人権講話やエンカウンター等を実施する。

・毎月1日に生活アンケートを実施することで、生徒の実態を把握し、人権教育の推進に努める。

・社会科の歴史的分野の授業において同和教育に関する内容を扱うときに学年担当教師が参観することで、生徒の同和問題の意識を高めるとともに、教師の同和問題に対する理解を深める。

・平和集会、人権集会、人権作文、人権標語等を通して人権意識・平和を尊重する意識の高揚を図る。

 

⑥ グローバル時代に対応する外国語教育の充実

◆コミュニケーションを図る資質・能力を育成するために、英語を聞いたり、話したり、読んだり、書いたりする基礎的な言語活動を、バランスよく、計画的、系統的に行う。特に表現活動においては、場面目的状況の設定をし、状況に即した実践力を養うやりとりをする。

◆ALTや地域人材、様々な英語体験活動を効果的に活用し、生徒のコミュニケーション能力の向上を図る。

◆小中学校の外国語教育に関しての研修を積極的に行い、英語学習においての小中連携を図る。

 

⑦情報教育の充実

◆ICT利活用教育

・1人1台端末を使った指導法の改善によって学力の向上を図るために、校内研究と連携して定期的に研究授業と授業研究会を行う。

・ICT支援員と情報化推進リーダーが協力し、1人1台端末や電子黒板、タブレットの活用に関する職員研修の充実を図る。

・各教科等の内容に関連させた情報活用能力の指導を行い、情報収集力、情報活用力、表現力等を高める。

・生徒集会を内容に応じてリモートで実施し、ICT機器の活用力を高める。

◆情報モラル教育

・社会科や技術・家庭科及び道徳と学級活動を核として発達段階に応じて指導を進めていく。また、生徒指導との関連や、PTA、地域住民との連携を図り、教育全体で情報の取扱いに関する教育を行う。

 

 


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