教育課程
令和5年度 佐賀市立小中一貫校富士校中学部 教育課程
1 学校の教育目標
◆ 教育目標 「地域を担う夢に向かって伸びゆく富士っ子の育成」
・ 一人ひとりに基礎学力を身につけさせ、思考力・判断力を高める。
・ 「ひと・もの・こと」との関わりを通して、自他の生命を大切にし、郷土を愛する心豊かな生徒を育てる。
・ 心身ともに健やかでたくましい生徒を育てる。
2.本校の教育の特色
◆ めざす学校像 「誰もが行きたくなる学校」
・ 常に創造的で活気に満ちた学校
・ 心の居場所となる安心できる学校
・ 地域に学び、地域とともに育つ学校
◆ めざす生徒像 「自分自身を誇れる生徒」
・ 夢や目標をもって自ら学ぼうとする生徒
・ お互いを認め合い、高め合おうとする生徒
・ ふるさとの魅力を自らの言葉で発信できる生徒
◆ めざす教師像 「明確なビジョンをもち、ポジティブに行動する教師」
・ 子どもを愛し、確固たる使命感をもって行動する教師
・ 常に前向きで、チャレンジする教師
・ 子どもに学び、地域に学ぶ教師
◆ ふるさと富士町を誇りに思う気持ちを高める教育活動の推進
・ ふるさと富士町のよさを知り、ふるさとへの誇りが高められたような教育活動を、道徳教育を始めとして教科横断的に実施する。
・ 地域の教育資源や人材などを活用した体験活動を行う中で、ふるさと富士町への誇りを高めさせていく。
◆ SDGsが掲げる目標と本校の目標を照らし合わせ,可能な部分から具体的な実践を図る。
3.教育計画
(1)本年度の教育の重点
◆ 「五感教育」の推進 - わかる授業づくりと家庭学習への取組
・ 地域の教材や人材を活用し、学習意欲を高める「授業づくり」
・ 「わかる授業」づくり
・ 少人数によるきめ細かな指導の充実
・ 家庭学習の定着と充実
◆「生徒理解」・「不登校対策」の推進 - 生徒を中心に据えた心の絆&居場所づくり
・ 木の温もりを生かした安らぎと落ち着きを感じる学校環境づくり
・ 生徒会活動の活性化
・ 誰もが富士校中学部生徒としての自己有用感を感じる指導方法の工夫
◆ 3連携「小中連携・家庭連携・地域連携」の推進 - コミュニティ・スクールとしての絆づくり
・ 小中における児童生徒間,職員間の交流活動の推進
・ 家庭や地域との「誠実に」「正確に」「迅速に」を心掛けた信頼関係の構築
・ 家庭や地域との適切な情報提供による共通理解と連携の強化
◆ 教職員の資質向上と働き方改革を受けての取組の充実
・ 校内研究の充実
・ 教育公務員としての自覚ある行動の徹底
・ 楽しく充実した職場環境づくり
(2)佐賀市の特色ある取組について
① 幼保こ・小・中連携の取組
◆ 小中一貫教育
・ 平成26年度に小中一貫校として開校し、小学部から中学部への円滑な移行を図ることにより、9年間を見通した確かな学びと豊かな心の育成を推進している。
・ 毎年度、小学部と連携し、組織作りや授業作りについて、富士校ならではの小中一貫教育のあり方について協議・模索する。
・ 小学部との距離が離れているため、年間計画に基づいて効率的に授業や交流活動に取り組む。
・ 6月の佐賀市フリー参観デーあわせて、富士校地域公開授業を実施する。乗り入れ授業、異学年交流活動を保護者や地域の方々に公開し、小中一貫教育の日頃の成果を発信する。
◆ 乗り入れ授業
・ 小中合同協議会で話し合った年間計画をもとに、中学部の教師が小学部の授業に参加する。
・ T1、T2の役割を明確にし、小中の職員で授業前の打ち合わせを充実させ、事後の反省を次回へ生かす。
◆ 交流事業
これまで継続している異学年交流の取組を見直し、より効果的な実施方法を探り、小学部の児童との「ふれあい活動」の活性化に繋げていく。
(1) 学校行事
小中合同体育大会、中学部文化発表会、中学部部活動体験、小学部富士小フェスタ等
* 小中合同体育大会は、令和4年度で7回目の開催となる。
(2) 異学年交流
絵本の読み聞かせ交流、外国語交流、箏交流、ようこそ先輩等
(3) 小中一貫便りの発行
2か月に1回、年間6号を発行する。自治会総会の際、地域住民への配布を依頼する。
◆ 生徒理解と支援
配慮を要する児童生徒について、小中の職員の共通理解を図るため、小中合同会議での情報交換(特別支援委員会、生徒指導協議会の定期的な開催等)を継続して行う。また、QUテストを小中全学年で実施し、結果をファイルに綴って引継ぎをしながら生徒理解の手立てとする。
◆ 小中共通の取組
小中共通の「家庭学習の約束」や「生活の決まり」を活用し、学習習慣や規則正しい生活の定着を図る。
② 「いじめ・いのちを考える日」の取組
◆ 毎月の生徒集会の中でいじめ撲滅のための宣言文を唱和し、いじめ撲滅の意識を高める。
◆ 毎月生活アンケートを実施し、嫌な思いをしている生徒がいないか生徒の実態把握をし、教育相談につなげる。また、善い行いをしている生徒名を書く欄を設け、互いのよいところを認め合う雰囲気を作る。
◆ 毎月定期的に教師または、地域コミュニティによる講話を行い、心を耕す取組を継続して行う。いじめを許さない体制づくりを心がけ、常に生徒へ働きかけていく。
③ 市民性を育む取組
◆ 本校が位置する富士町は、嘉瀬川ダム建設に伴って多くの住民が転居を余儀なくされた。人口流出の影響を受けて、中学校の生徒数も40名前後になるという状況が続いている。また、2つの小学校の統合を経て、小中一貫教育の推進を掲げた「小中一貫校富士校」となって、今年度で10年目を迎える。「佐賀に誇りと愛着をもつ子どもを育てる」という視点で、平成30年度から「学校運営協議会」制度を導入し、地域とともにある学校づくりに邁進している。他の町にない富士町ならではの魅力を発見・実感し、故郷を誇りに思う子どもを育てるとともに、一社会人となって地域の次世代を担う人材を育成するための取組とする。
◆ 生徒会活動、学級活動を生徒が主体的に活動に取り組むものとし、多くの活躍・承認の場を設定して活力ある学校の柱とする。
◆ 学校行事、小中交流行事に生徒が主体的に関わる出番を作り、学年や校種を超えて認め合う関係づくり、集団づくりを行う。
[Ⅰ型] 地域行事への積極的参加、伝統行事の理解と継承に努める生徒を育成する取組
・ 富士町内にある鮫島病院への看護体験や保育園への保育体験を教科・領域に位置づけ、自己の生き方を考えさせるとともに、地域への感謝の念を持ち、地域へ貢献する心を育てる取組とする。
[Ⅱ型] 地域の産業や農業、文化財の教材化を図り、社会体験活動に参加させる取組
・ 町内をはじめとする事業所を中心に、第2学年で職場体験を行い、社会の中で体験活動に参加させる取組とする。
・ 総合的な学習の中で、生徒会の取り組みであるパワーアッププラン(地域活性化)と連動して、地域の産業や農業についての調べ学習、椎茸コマ打ちから栽培と給食の食材の提供までの食育など、地域の特色を活かしふるさとに愛着を感じさせる取組を行う。
・ 道徳科の教材として郷土の題材を取り入れ3学年で系統的に学習し、実践を積み重ねる。
◆ いじめゼロの宣言を浸透させ、主体的に判断し行動する生徒を育み、いじめを許さない学校づくりをめざす。
(3)指導の重点7項目
① 「いのち」を守る教育の充実(安心・安全な学校づくり)
◆ 道徳教育の全体計画及び別葉を評価・改善し、学校教育全般を通して行う道徳教育の改善・充実を図る。
◆ 地域や家庭と連携した特別の教科道徳の授業を行う「ふれあい道徳」では、その趣旨に基付き、各校の実態に応じた実施を教育課程に位置付ける。
◆ 教育活動全般を通して行う道徳教育について、指導の重点を学校・児童生徒の実態に応じて記入する。特に、「郷土の伝統と文化の尊重,郷土を愛する態度」の指導を重視する。
◆ 体験活動等を生かした取組、保護者や地域の方々をゲストティーチャーとして招いたり、保護者が授業に参加・参画したりするような外部人材を活用した取組等、多様な学習の場や方法を工夫し、教育課程に位置付ける。
◆ 災害の直接の原因となる郷土の自然を知り、恐ろしさだけでなく自然が人間生活に与える恩恵も理解させる。地域の方の話を聞き、地域の歴史を学び、将来起こる災害に備えるため地域の外部人材を活用する。
◆ 安全学習では、教科における学習だけでなく、生徒が主体的に災害について学習できるよう学校行事や総合的な学習の時間についても防災、安全教育の内容を盛り込む。
◆ 80%を占める森林や気象条件、温泉の観光地でもある社会的状況を踏まえた防災教育を進めるため、想定される防災・安全・不審者対応等を計画する。
② 主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善(学力向上)
9年間を系統立て、計画的に小中連携して学力向上に取り組んでいくために、「主体的な学び」「対話的な学び」「深い学び」の3つの視点に立ち、さらに、3つを柱として、今までの実践の継続と充実を目指し、授業づくり・改善に取り組んでいく。
3つの柱
◆ 小中一貫教育、9年間を貫く学習スタイルとしてユニバーサルデザイン教育の視点を取り入れ、分かりやすい授業をめざす。
◆ 学習意欲の向上や少人数授業を生かしたきめ細かな指導の充実を行い、個を大切にした授業を工夫する。
◆ 学習習慣・生活習慣の充実を行い、学ぶ集団へと意識改革を図る。
【主体的な学びの視点】
・ 毎日、授業の「めあて、まとめ・振り返り」を「授業の記録」に記入させ、家庭学習における復習で活用できるようにする。
・ 生徒が本時の見通しをもつことができ、また、主体的に授業に臨むことができる「めあて」と「まとめ」の提示と「振り返り」の方法を工夫する。
・ 月曜日の朝、国語、数学、英語、理科、社会のローテーションで朝テストを実施する。再テスト、再々テストの実施や課題の追加を個別に行い、基礎知識の定着を図る。
・ 予習、復習の意義を生徒が理解し、主体的に家庭学習に取り組むような手立てをとる。
・ 自主学習ノートの取組では、事例紹介や工夫点などについての一斉指導をする。内容のチェックは、教科担任が行い、専門的なアドバイスや指導を行う。必要に応じて個別指導も行い、家庭学習習慣や基礎基本の定着を図る。
【対話的な学びの視点】
・ 言語活動(話し合い活動等)、課題解決型学習を積極的に取り入れる。
・ 他者との協働によって学びを向上させるために、授業におけるグループ活動を効果的に仕組む。
【深い学びの視点】
・ 汎用的な能力の育成をめざして、学級活動、学校行事、生徒会活動などの場面でも、話し合う、説明する、共感的・批判的に聞くといったような言語活動の充実を図る。
小中一貫の取り組み
・ 小学部への乗り入れ授業で、9年間の系統的な指導を実践し、小中の発達段階に応じたよりよい指導法を探る。
・ 教育のユニバーサルデザイン化の視点(「焦点化」「視覚化」「共有化」)を取り入れた授業実践を全教科・全領域で行う。
・ 支援を要する生徒の支援計画に基づいた対応や指導を、全職員で共通理解して実施する。
・ 「立腰教育」「聞く態度」「話す態度」「学びの心得」を小中共通で取り組み、学習規律の周知徹底をする。
・ 小中共通の「家庭学習の手引き」を保護者に配布し、家庭と連携して家庭学習を充実させる。
③ 特別支援教育の充実
◆ 生徒の教育的ニーズを把握し、全職員が共通理解を図った上で、個々に応じた支援を行う。教育相談、生徒指導等とも連携を図り、支援が機能的に行えるようにする。
・ 全職員で支援を行うため、週1回の職員朝会や生徒指導朝会、月定例の生徒指導協議会・特別支援教育委員会において、生徒の情報交換を密に行う。また、状況に応じてケース会議を開き、情報の共有化を図り、支援の確認や改善を図るより良い手立てを検討し、保護者と連携し個に応じた支援計画を立て支援を行う。
・ 支援を要する生徒に対しては、関係機関等の巡回相談を活用し、助言を受けたり、校内研修の機会を活用したりして、全職員でスキルアップを図る。
・ 授業のユニバーサルデザイン(UD)化を継続して行い、「焦点化」・「視覚化」・「共有化」で、誰もが学びやすい環境をつくっていく。
・ 必要に応じて「個別の指導計画」「個別の支援計画」の作成を行う。
◆ 小中共通の取組として、以下のことを行う。
・ 児童生徒理解をより深め、適切な支援ができるようにするための校内及び小中合同の特別支援教育研修を実施する。
・ 支援を要する児童生徒の実態や支援の手立てについての情報を共有できる場を、小中合同で定期的に設定する。特に、6年児童の情報については、学年末に引き継ぎを行い、継続的な支援が確実にできるようにする。
④ 生徒指導の充実
◆ 全職員が一体となって取り組み、生徒との信頼関係を確立する。
1 重点目標
・ 校則を守り、はつらつとした日常の生活行動を通じて、より良い習慣を身につけさせる。
・ 校舎内外の美化整備に努め、奉仕的態度を身につけさせる。
・ いじめや問題行動等の未然防止、早期発見と早期対応・改善に努める。
・ 様々な場面で生徒に関わり、生徒理解を深め、個に応じた支援に努める。
◎ 具体的に次のことに留意し、共通実践を行う。
・ 凛としたあいさつ、場に応じた言葉遣い、清潔な服装等、随時、指導を行う。
・ 校則・きまりについては、生徒の実情、保護者の考え方、社会の常識、時代の進展等を踏まえ、適宜、検討・見直しを行う。その際は、生徒指導部を中心に、生徒会にも呼びかけ、話し合いでよりよいものに変化させていく。
・ 無言清掃を意識した清掃指導を行う。
・ 問題行動が発生した場合は、緊急連絡方法や協力体制に基づいて、迅速に対処する。
* 実践過程で生じた問題等は随時、職員会議や生徒指導部会、生徒指導協議会で話し合う。また、毎月生活アンケートを実施し、生徒の実態把握をするとともに毎月の生徒集会の中でいじめ撲滅のための宣言文を唱和し、「いじめ」を見逃さない、許さない強い姿勢で指導にあたる。
2 生徒指導の充実を図るために家庭、地域及び関係機関との連携に努める。
・ 学校便りや学級便りを通して、生徒の様子を伝え、保護者との人間関係作りのきっかけにする。
・ 保護者との対話に努めるために、授業参観、学年PTA、PTA総会、保護者面談、地区懇談会等の在り方を工夫する。
・ NPO法人等から講師を招聘し、生徒や保護者向けに情報モラルについての講話を行い、啓発する。
⑤ 人権・同和教育の充実
◆ 基本方針
・ 教育活動の全領域において、人権・同和教育の実践に計画的に取り組む。
・ 差別の現実に学び、部落問題への正しい認識を持ち、差別を許さない心情を育てる。
・ 人と人をつなぎ、お互いが価値ある存在であることを理解させる。
・ 生徒の自己実現をめざすために学力保障に努めるとともに、小学部と連携して、人権・同和教育に関する教師の指導力向上のために研修の充実を図る。
・ 学び合い・認め合いの学習を通して、お互いを尊重するような仲間づくり・人間関係づくりを行う。
◆ 指導・実践事項
・ 毎月1日を「いじめ・命を考える日」として位置づけることで、生徒の人権意識を高める。
・ 小学部で行われている人権教室とのつながりを図るため、中学部においても教師または、地域コミュニティによる人権講話やエンカウンター等を実施する。
・ 毎月1日に生活アンケートを実施することで、生徒の実態を把握し、人権教育の推進に努める。
・ 社会科の歴史的分野の授業において同和教育に関する内容を扱うときに学年担当教師が参観することで、生徒の同和問題の意識を高めるとともに、教師の同和問題に対する理解を深める。
・ 平和集会、人権集会、人権作文、人権標語等を通して人権意識・平和を尊重する意識の高揚を図る。
⑥ グローバル時代に対応する外国語教育の充実
◆ コミュニケーションを図る資質・能力を育成するために、英語を聞いたり、話したり、読んだり、書いたりする基礎的な言語活動を、バランスよく、計画的、系統的に行う。特に表現活動においては、場面目的状況の設定をし、状況に即した実践力を養うやりとりをする。
◆ ALTや地域人材、様々な英語体験活動を効果的に活用し、生徒のコミュニケーション能力の向上を図る。
◆ 小中学校の外国語教育に関しての研修を積極的に行い、英語学習においての小中連携を図る。
⑦ 情報教育の充実
◆ ICT利活用教育
・ 1人1台端末を使った指導法の改善によって学力の向上を図るために、校内研究と連携して定期的に研究授業と授業研究会を行う。
・ ICT支援員と情報化推進リーダーが協力し、1人1台端末や電子黒板、タブレットの利活用に関する職員研修の充実を図る。
・ 各教科等の内容に関連させた情報活用能力の指導を行い、情報収集力、情報活用力、表現力等を高める。
・ 生徒集会を内容に応じてリモートで実施し、ICT機器の活用力を高める。
◆ 情報モラル教育
・ 社会科や技術・家庭科及び道徳と学級活動を核として発達段階に応じて指導を進めていく。また、生徒指導との関連や、PTA、地域住民との連携を図り、教育全体で情報の取扱いに関する教育を行う。
(4)各教科等
■国語
・思考力・判断力・表現力を高めるために、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」を相互に関連付けた単元を組み、それぞれの資質・能力についての重点的な指導をする。
・目的や意図に応じて構成を考えて表現できるようにするために、型やモデルを提示し表現することへの見通しと意欲をもたせる。
・様々な文章を読み、内容や要旨を的確にとらえる能力を身につけさせるために、読解の方法を帰納的に学習する場面を設定するとともに、読書と読書記録の推進を図る。
・語彙を豊かにするために、一単位時間に必ず辞書を使わせるようにし、様々な時機を捉えて、適切に言葉を使用できるようにする。また、普段から自分の考えを言い表すために、教科書や読書テキストなどから引用したり、考えを書き記す機会を増やしたりする。
・多角的・多面的な考えをもたせるために、グループ活動や全体での意見の共有とそれに対する質疑応答の場面を作り、思考の深まりとその有効性を実感させる。
■社会
・基本的な知識を習得させるために、用語プリントを使用して繰り返し学習させ、朝テストでは全員合格を目指し、不合格の生徒には個別指導を行う。
・思考力・判断力を育成するために、生徒が興味をもつようなパフォーマンス課題やめあてを設定し、ペア学習やグループ学習で対話・議論する場を設定する。
・1人1台端末を使用させ、生徒が自ら調べることで、主体的に学ぶ環境づくりを行う。
・教室の外へ学びを広げるために、保護者や地域の方々などのラーニングパートナーとともに学ぶ単元を、設定する。
・3年生では2、3学期に株式学習ゲームを実施し、教室の学びと現実の社会を結びつける。
■数学
・数学的な見方や考え方のよさを利用して、収集した情報をまとめる力や知識・技能を活用する力を養う指導を重点的に行う。
・自ら考え・自ら学ぶ態度を養い、分かる喜びを味わわせる数学の学習活動をめざす。
・分かる授業をめざし、意欲を持たせる教材の工夫・改善を行う。
・ICTを活用した授業を単元や活動内容に併せて行い、数学的な事象の理解を深める。
・生徒全員に対し、基礎・基本の定着を図る。
・ペア・グループ活動の時間を増やし、「学び合い」や「教え合い」を取り入れる。
■理科
・新学習指導要領に基づき、生徒が「理科の見方・考え方」を働かせ、見通しをもって観察・実験を行えるよう毎時間の授業を計画する。
・「理科の見方・考え方」を働かせて自然の事物・現象に関わり、見通しをもって観察・実験を行うことで科学的に探究するために必要な資質・能力を育成する。
・教材・教具を工夫したり、電子黒板等のICTを活用したりして工夫した授業展開を行うことで、生徒どうしが互いに学習内容の理解を深めることができるようにする。
・科学技術が日常生活や社会を豊かにし、安全性の向上に役立ち、様々な職業などと関係して持続可能な社会の構築に貢献していることを認識させる。
・各授業内容についてワークシートを自作し、効率的で効果的な活動をしくむ。また、家庭学習課題として、練習問題等の課題を定期的に課し、基礎・基本の定着を図る。
■音楽
・表現活動及び鑑賞活動の幅広い活動を通して、音楽を愛好する心情を育て、音楽に対する感性を豊かにし、豊かな情操を養う。
・生涯にわたって楽しく豊かな音楽活動ができるようにするために、音楽活動の基礎的・基本的な知識と技能の習得をとおして、音楽の見方・考え方を働かせて、楽しさや素晴らしさを経験できる授業づくりをする。
・日本の伝統音楽に愛着をもち、諸外国の音楽文化を尊重する態度を育成するために、日本の伝統音楽や、世界の様々な音楽との出会わせ方を工夫する。
・美しいものや優れたものに接して感動する心を育成したり、他者との共働によって喜びを感じたりすることができるように、学校行事や日頃の学校生活の中で、発表したり鑑賞したりする機会を設ける。また、他者との交流を活性化させ、感動を共有できるようにする。
■美術
・創造活動の喜びを味わい、美術を愛好する心情を育て、感性を豊かにし、美術の基礎的な能力を伸ばし、美術文化についての理解を深め、豊かな情操を養う。
・美術の見方・考え方を働かせて造形的な創造活動の基礎的な能力を育て、生活の中の造形や美術の働き、美術文化などに関心をもてるようにする。
・ふるさと富士町や佐賀県の美術文化の継承や創造への関心を高めるため、作品などの良さや美しさを主体的に味わう活動や指導を充実させる。
■保健体育
・心身ともに健康で運動に親しむように、生徒による自主的な準備運動の充実と「体つくり運動」を取り入れる。
・オリエンテーションを充実させ、学習の学び方を定着させる。
・運動の楽しさを体感し、活動時間を保障し、生徒が意欲的に活動できる授業計画を立てる。
・仲間同士の学びあいが自由にできるように、練習時間や話し合い時間を意図的に設ける。
・体育実技のみでなく、保健領域の授業の中で、テーマを決め、調べ活動を行わせ、毎日の生活を見直す機会にする。
・集団行動を通して機敏な行動を身につけさせ、団結力、達成感などの気持ちを味わわせる。
■技術・家庭
【技術】
・積極的に作業に参加する姿勢を育てる。
・生活の中で生かせる技能を身につけさせる。(情報モラルを含む)
・個別指導を継続する。
【家庭】
・衣生活・食生活・住生活における知識と技能の基礎・基本を身につけることにより、健康で自立した生活を営むことを目指すとともに、自らの生活行為が環境問題と大きくかかわっていることを理解させ、環境に配慮した生活を、工夫・実践する態度を育てる。
・幼児に関心をもたせ、子どもが育つ環境としての家庭や家族の人間関係について考えることによって、家庭や家族への感謝の心を育て、家族・家庭の基本的な機能や重要性を理解させる。
■外国語
・外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ、コミュニケーションの目的を理解し、見通しをもって目的を実現するための聞くこと、話すこと、読むこと、書くことによる総合的な言語活動を行う。
・言語の働きや役割などを理解し、実際のコミュニケーションの場面において活用できる基本的な技能を身に付けさせる。
・コミュニケーションを行う目的・場面・状況等に応じて、日常的・社会的で具体的な話題について理解したり、簡単な情報や考えなどを交換するなどして伝え合ったりすることができる力を養う。
・外国語やその背景にある文化の多様性を尊重し、聞き手・読み手・話し手・書き手に配慮しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする態度を養う。
■特別の教科 道徳
◆「考え、議論する」道徳への転換により児童生徒の道徳性をはぐくむという新学習指導要領の方針を受け、問題解決的な学習や体験的な学習、外部人材を活用した取組等、多様な学習の場や方法を工夫する。
◆いじめ問題への対応の充実や発達段階をより一層踏まえた体系的な指導の充実を図る。
◆地域や家庭と連携した道徳の授業を行う「ふれあい道徳」では、その趣旨に基づき、各校の実態に応じた実践を教育課程に位置付ける。
◆数値評価ではない道徳性に係る成長の把握をする。
■総合的な学習の時間
◆各教科等における見方・考え方を総合的に働かせ、特定の教科等の視点だけで捉えきれない広範な事象を、多様な角度から俯瞰(ふかん)して捉え、課題の探究を通して自己の生き方を問い続ける資質・能力を育成する。
【具体的な取り組み】
・富士町で生活している意識を高め、ふるさとを見つめる力を養う。全学年の共通の大テーマを『地域』とし、1年「我が町の再発見を通して自分を見つめなおそう」~富士町の環境についての探求活動を通して~、2年「体験を広げ、見聞を広げよう~地域の産業や職業を通して~」、3年「生き方にふれ、進路を見つけよう」~修学旅行、福祉体験を通して~の個別テーマで活動する。
・地域の人々の思いや考えを受け取り、地域の行事や小中一貫のボランティア活動に参加することにより地域に愛着をもち、自分のよさを生かす生徒を育成する。
・身近な社会情勢や国際的な社会問題に気づき、話し合い活動を通して主体的に問題を解決する態度・能力を育成する。
・地域教育コーディネーターと連携して、ボランティアの人材を、1年「産業」2年「職場体験」3年「人との交流」の中で活用することで、専門職の素晴らしさや人生の先輩としての生き方を学ばせる。
【育てたい力(探求的な学習を通して)】
・課題設定の能力…日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる疑問や関心に基づいて、自ら課題を見付けることができる。
・情報収集の活用力…具体的な問題について情報を収集し、その情報を整理・分析したり、知識や技能に結び付けたり、考えを出し合ったりしながら問題の解決に取組、情報機器を用いて、必要な情報を生かして発表等ができる。
・人と関わる力…さまざまな人々と交流し、その人々の思いを感じ取ったり、自分の思いを伝えたりすることができる。
・まとめる力…明らかになった自分の考えをまとめたり、それを他者に伝えたりし、そこからまた新たな課題を見付け、更なる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していき、物事の本質を探って見極めようとする探究的な学習をおこなうことができる。
・プレゼンテーション能力…学習の成果としてまとめたものを、生徒同士で話し合ったり、発表したりするときに自分の思いや考えを分かりやすく伝えることができる。
【視点】
・よりよく解決する…教科等の枠を超えて探究する価値のある課題について、各教科等で身に付けた資質・能力を活用・発揮しながら解決に向けて取り組む。解決の道筋がすぐに明らかにならない課題や、唯一の正解が存在しない課題などについても、自らの知識や技能等を総合的に働かせて、目前の具体的な課題に粘り強く対処し解決しようとする。
・知識について…実社会・実生活における様々な課題の解決に活用可能な生きて働く知識、すなわち概念を形成する。
・技能について…必要感の中で、注意深く体験を積んで、徐々に自らの力でできるようにする。
・自己の生き方を考える…学習の成果から達成感や自信をもち、自分のよさや可能性に気付き、自分の人生や将来、職業について考えていく。更に、自分にとっての学ぶことの意味や価値を考え、学んだことを現在及び将来の自己の生き方につなげて考えていくことができる。
■特別活動(学級活動)
◆望ましい集団活動を通して、心身の調和のとれた発達と個性の伸長を図り、集団や社会の一員として、よりよい生活を築こうとする自主的・実践的な態度を育てるとともに、生き方についての自覚を深め、自己を生かす能力を高める。
【学級活動】
・学級集団において一人ひとりが互いを認め合い、切磋琢磨して成長できるよう、支持的風土をもった学級づくりを目指す。
【学校行事・生徒会活動】
・学校行事や学級・生徒会活動を通して、生徒自身が自治的な活動を行う力が育まれ、学年の枠を超えた学び合いができるよう、教職員の支援体制を作る。
【キャリア教育との関連】
・学年に応じた進路学習の場を設け、生徒が主体的に自分の将来について考え、望ましい進路の選択をすることができるようにさせる。
■キャリア教育
◆学校の教育活動全体を通じて主体的な学びを取り入れ、一人一人の社会的・職業的自立に向けて必要な能力の育成を図るとともに、将来の夢や自分らしい生き方に関する指導を行う。
1 各教科や総合的な学習の時間(職場体験等)、生徒会活動、ボランティア活動、特別活動における自主的な活動や体験的な学習を通して、働くことの意義の理解やコミュニケーションスキルを育む。
2 高校説明会や高校体験入学、高校調べ学習、三者面談、教育相談等を通して、進路についての理解を深めるとともに、将来設計力を高める指導を行う。
3 地域の人との連携に努め、職場体験やボランティア活動等の指導を行う。
4 小学部と連携し、小中交流活動等の充実に努める。
5 「キャリアパスポート」を活用して、授業や学校行事、部活動などの学びや体験を記録し、生活を振り返ったり、見通したりしながら、将来の夢や希望をもたせ、その実現のために努力していく人間としての資質や能力を育てる。
■環境教育
・SDGsの目標に基づき、本校の美しい豊かな環境を維持しつつ、持続可能な発展ができる社会の実現をめざした環境教育に取り組む。
・富士町の素晴らしい自然を愛する心を育て、郷土を守っていく力を育てる。
・環境ISO認定校の一員としての自覚をもたせることで、環境問題に対する興味・関心を高める。また、自分達にできる身近なことを考えさせることで実行する力を育てる。
・環境ISOの取組をとおして、ゴミの分別や物を大切にすることを指導する。
・生徒には毎月、環境ISOアンケートを実施し、翌月の生徒集会で全校に呼びかけを行う。また、職員に対しても前期、後期でアンケートを実施し、平素の活動への意識を高める。
・空調(エアコン)の温度設定を夏は28度、冬は20度にして、始動時のみ扇風機を併用することで節電に心がける。加えて、冬場には、灯油によるファンヒーターを併用することを心がける。
・無言清掃を徹底させ、生活習慣の充実を図る。
■読書指導
・月に1回、地域ボランティアの方の「絵本の読み聞かせ」を行うことで、生徒の本との出会いを広げるとともに、生徒の心を耕す場とする。
・中学3年生と小学生(低学年)との異学年交流で「読み聞かせ」を行い、選書して読み方を工夫する過程において、本に親しむ機会をつくる。
・週3回(火・木・金)の全校一斉「朝の読書」を徹底し、読書の習慣化を図る。
・「朝の読書」と連動して「読書記録」を記入することで、個人の読書生活を振り返り、多種多様な読書への一助とする。
・月1回「図書館だより」を発行し、良書の紹介を行ったり、生徒の委員会活動の一環として「おすすめの本」の紹介をしたりして、本との出会いの機会をつくる。
・市立図書館や市内小中学校との図書の相互貸借を活用し、様々な本に触れられるようにする。
■食に関する教育
・食に関する年間計画に基づき、学校給食を通した教育活動(教科・学級活動・生徒会活動・総合的な学習の時間)の中で計画的に実施し、将来の自立に向けた食に関する知識や実践能力を養う。また、地域の食文化や食品の生産、流通に関心をもたせ、地産地消に関わる活動を通して、郷土への理解を深める機会をつくる。
・学校運営協議会の方や、地域の方々をゲストティーチャーに招いた体験活動(しいたけの栽培活動、地域の特産物)を行い、専門家との連携を図ったり、保護者参加の活動を行ったりして生徒の実態に応じた食育の充実を図る。
・栄養教諭によるテーブルマナーに関する指導を行うことにより、正しい食事のあり方や望ましい食習慣の形成を図る。
・給食指導では、新しい生活様式をふまえた衛生的な食行動の身についた生徒を育成する。
・生徒会健康委員会の活動として、給食に感謝する会・手洗い講習会の企画や早寝早起き朝ごはんの啓発活動を行い、食に関する理解を深め、感謝の気持ちを育むとともに、衛生管理や生活習慣に関する自己管理能力の育成を図る。
・FCO部の活動として、外部講師を招聘し、野菜の栽培や加工の体験活動を行い、地域とのつながりを大切にする生徒の育成を図る。
■教育課題への対応
◆ 自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力を育成するための対応として、小中の連携を強化し系統的に学力の向上を図る。
・ 授業形態・学習環境のユニバーサルデザイン化を継続して進め、誰もがわかる学びやすい環境を改善する。
・ 毎時間の「めあて・まとめ」と単元の計画を提示し、評価方法や基準を共有することで生徒に見通しをもたせる授業作りを行い、指導と評価の一体化を目指す。
◆ 将来に夢や希望をもち、その実現のために努力していく生徒を育成するための対応として、「キャリアパスポート」を活用する。
・ 授業や学校行事、部活動などの学びや体験を記録し、生活を振り返ったり、見通したりする活動の時間確保や価値づけを年間計画に沿って計画的に、職員の共通理解のもと実施する。
・ 義務教育9年間の資料が、次年度に受け継がれるシステムを小中で連携して確立させる。
◆ 地域に貢献し、様々な世代が共生する中核の存在として、豊かで暮らしやすい富士町を維持していく一翼を担う自覚を育むための対応として、持続可能なカリキュラム作成や体験学習の見直しをする。
・ 各教科等や領域の年間指導計画で、相互の関連性を強化させる。特に、特別活動、キャリア教育、総合的な学習、道徳に関しては、学校行事や生徒会活動との関連もたせ、効果的な取り組みを継続してめざす。
・ 地域の人材を講師に迎えての講演会や椎茸栽培などの体験活動をカリキュラムに計画的、系統的に位置付けることで、持続可能な取組にする。
◆ 未来を担う子どもたちを「誰一人取り残さない社会の実現」というSDGs(持続可能な開発目標)の理念を意識し、授業を通して、その理解をもとに実践力を身につけさせるための対応として、生徒の実態に応じて、学年や教科等を吟味し、教育課程に取り入れていく。
・ 「SDGsに関する講演会」を計画し、言葉の意味や17のゴール・169のターゲットを知る学習を行い、今、自分たちのできることを生徒と職員でともに考え、共通理解を図る。
・ 各教科等や領域の年間指導計画で、項目に関連した内容を確認し、目標を意識させた授業を構築していく。特に、特別活動、人権・同和教育、総合的な学習の時間、環境教育に関しては、生徒会活動との関連もたせ、効果的な取り組みを継続してめざす。