佐賀新聞ニュース【伝統のキューポラ実習(溶解実習)】
入力日
2020年11月24日
内容
鳥栖市の鳥栖工高で16日、キューポラ(溶鉱炉)を使った鉄の溶解と鋳造実習が行われた。学校創立以来、75年以上続く「ものづくりの原点」に触れる機会で、生徒たちが1450度もの高温に熱されて溶けた鉄を専用の勺(しゃく)に取り、鋳型に流し込んだ。
キューポラを使った実習は、指導者の減少で全国的にも実施校が数校に減っているという。この日は機械科2年生と定時制機械科3年生の計42人と鉄鋼メーカーに就職予定の3年生2人が、職員ら約25人の指導の下で実施した。
キューポラに鉄くずとコークス(蒸し焼きした石炭)、石灰石を入れ、3時間かけて鉄を溶解。「カーン、カーン」という鐘の合図で、溶けた鉄を大取鍋(おおとりべ)に取り出し、生徒が勺に取り分けて鋳型へ流し込んだ。香田飛鷹さん(17)は「鉄は思ったより重く、熱かった。こぼしてはいけない責任があり緊張したけれど、達成感があった」と話した。
実習で作った歯車などは、重さ300キロの物を持ち上げられる手巻きウインチの材料として使われ、ウインチは3年時に製作する。
閲覧数
768