始業式校長訓話
入力日
2020年9月1日
内容
- 全校のみなさん、夏休みはいかがでしたか?
- 今年は、コロナ禍の中、例年とは異なる、まさに異例の夏となったわけですが、実質2週間の休みを終え、8月24日(月)から登校している2年生から9年生までの姿をみていると、特に上級学年の皆さんがしっかりと日焼けしていて、なんだかたくましくなったなあと感心していました。
- 1年生の皆さんは久しぶりの学校ですね。楽しみにしていましたか。
- いずれにしても、9月になりました。今日は節目の日です。始業式はそういう節目を意識する日です。まだまだ暑い日は続きそうですが、気持ちを整えなおして、頑張りましょう。
- ところで、皆さんにうれしい知らせがあります。
- それは、6年生と9年生の修学旅行についてです。
- 先週末、6年生は1泊2日で長崎へ、9年生は2泊3日で広島方面へ修学旅行に出かけました。
- コロナ禍の中、県内でもたくさんの学校が中止にしたり、先延ばしにしたりしているようでしたが、本校では、6年生、9年生の一人ひとりが、万全の対策を行い、全員が元気に過ごすことができました。
- これは画期的なことです。すばらしいことです。コロナ後、初の修学旅行として、おそらく県内では最初の、全国的に見ても先導的な取組だったと思います。これは、誇っていい。僕は、中央校が新しい歴史の1ページを作ってくれたと高く評価しています。
- みごとな成功を果たしてくれた6年生、9年生。一人ひとりが、こういう状況の中でどうすべきか、しっかりと考えて行動できた証です。みんなで作り上げた素晴らしい修学旅行でした。とてもうれしく思っています。ありがとう。中央校はこういうことができる学校なのだと誇らしく思いました。
- 今度は、体育大会ですね。今月20日、初めて全校挙げて、1年生から9年生までのフルメンバーで開催します。全員が他人事(ひとごと)ではなく、ジブンゴトとして参加し、みんなで中央校の体育大会を作り上げていきましょう。よろしくおねがいしますね。
- では、ここからは、始業式にふさわしいちょっといい話をしましょう。
- これを見てください。何か分かりますか。そう、反対の言葉は何でしょう?というお話です。
- 「好き」の反対は?
- 「嫌い」ですね。「賛成」の反対は「反対」。「成功」の反対は「失敗」ですね。こういうのを反意語(反対の意味を持つ言葉)といいますが、これをちょっと別の角度から見てみることで、新しいものの見方ができます。
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- では、こちらを見てください。先程示した「成功」と「失敗」の関係。これは反対の意味ですから、両端にありますね。
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- これをまん中から折り曲げてみてみましょう。それが下の図です。
- すると、左の端には「成功」と「失敗」が並び、「成功と失敗の差は少ししかない、表と裏の関係」といった感じになります。
- そして、この線の右端は、「成功でも、失敗でも、どちらでもない」状態ということになります。
- では、ここでいう、「成功でも、失敗でもない」とはどんな状況でしょうか。
- そもそも「何か行動し」て、うまくいけば「成功」だし、うまくいかなければ「失敗」です。
- ということは、この場合の反対は「何も行動しない」ということになります。
- この図からも分かるように、実のところ、「成功」と「失敗」は紙一重の同義語(同じ意味の言葉)で、それらの反対の言葉は「何もしない」ということなのです。
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- 少し前の話になりますが、イタリアのサッカー選手、ロベルト・バッジョは「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気のある者だけだ」と言っています。
- サッカーをやっている人はもちろん、やったことのない人でも、PK(ペナルティ・キック)の場面は見たことがあるでしょう。とても緊張する場面です。成功するも失敗するも紙一重。要は、それにチャレンジする勇気が大事なのです。 先日も、白血病からの復活を目指す、競泳女子の池江璃花子(いけえ・りかこ)選手のニュースが報道されていました。見た人も多いでしょう。池江選手のチャレンジする姿はとても感動的でした。
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- では、まとめます。
- 1学期は「目標をもとう」という話をしました。2学期は「その目標に向かってチャレンジしよう」ということです。 できない理由を並べるのではなく、やるためにはどうするか、それをこそ、皆さんは考えてください。失敗を恐れずにチャレンジする人にこそ、成長は訪れます。 賢明なる、かしこい中央校の皆さん、2学期は「チャレンジ」です。 それから、余談ですが、実はこの話、僕が考えたオリジナルの話ではありません。ここから学びました。(全国学力調査問題 中学校3年生)
- テスト問題で、「ああ、いい文章だな」と思うことがよくあります。教科書を読むときもそうです。 もともと、テスト問題を作る人や教科書を作る人たちは、何か難しいことを言って皆を困らせてやろう、なんてことは少しも思っていません。 そうではなくて、君たちに向けて、「知ってほしい」、「考えてほしい」内容を取り上げているのです。 そう考えると、テスト問題も教科書も少しも恐れることはありません。必ずそこにはなにかのメッセージがあります。そこに隠されたメッセージを受け止める練習にも2学期はチャレンジしてくださいね。
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- 実りの秋といいます。2学期の皆さんの頑張りに期待して、今日の話を終わります。
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