令和2年度 2学期 終業式 校長訓話(令和2年12月24日(木))
入力日
2020年12月24日
内容
多彩な行事が織り込まれた2学期が終わりました。この2学期は、皆さんにとってどんな収穫があったでしょうか。
では、いくつかの行事を振り返ってみましょう。
まず、なんといっても体育大会。学校でも大きな行事の一つです。この9月の体育大会では、はじめて1年生から9年生までが一緒の時間に一緒の場所で行いました。感染症対策のため、あいにく半日の開催となりましたが、一人一人が自分の役割を果たすことの大切さをよく理解して、クラス、あるいは学年の団結を高めるとともに、全校をあげた取組となったことに、たくさんの人が刺激と感動を受けたことと思います。
それから、10月末の文化発表会。中学年、高学年を中心とした取組でしたが、みなさん一人一人が学級文化、学年文化を高めていこうという意欲を持ち、それぞれの役割を認識して、全員で創り上げるという意識を持つことができたと思います。
また、それぞれの学年で、バス旅行、宿泊訓練、修学旅行がありましたね。いい思い出になりましたか。クラスの仲間どうしの親睦を深め、つながりを強めることができたと思います。
いくつかの行事を取り上げましたが、その他の児童会・生徒会活動や様々な行事をとおして、自分と学級など、集団とのつながりを感じ取って、連帯すること、つながることの大切さやそこで何ができるのかという自分の可能性を確かめることができたのではないでしょうか。
実は、このことは、君たちの将来を切り開くにあたって、とても大切なことなのです。
ちょっと別の角度から話を深めてみましょう。
皆さんには「夢」がありますか? みなさんはどんな「志」を持っていますか?
さて「あなたの将来の夢は何ですか、あなたの志は何ですか?」と尋ねられたら、何と答えますか。ちょっと心の中で呟いてみてください。7年生から9年生までの皆さんは、先月末、北見俊則先生から「志教育」を受けたので、「ああ、あのことだな」と思い出してくれたのではないでしょうか。
さて、「あなたの将来の夢は何ですか」という問いに対する答えとして、次のようなものはどうでしょう。
「僕の『夢』は、高級外車に乗ることです」。「私の『夢』は世界一周旅行に行くことです」
どちらもすてきな「夢」ですね。ぜひかなえてほしいと思います。
でもこの「夢」は「志」に置き換えられるでしょうか。
「僕の『志』は高級外車に乗ることです」「私の『志』は世界一周旅行に行くことです」
ちょっと“ちぐはぐな感じ”がしませんか。その“ちぐはぐな感じ”はどこから起きてくるのでしょうか。
誤解を恐れずにはっきり言うと、「夢」は「自分のため」、「志」は「他人のため」という要素をもっていると言うと、分かりやすいのではないでしょうか。
「私の『夢』は看護師になって、病気で苦しんでいる人を助けることです」というと、これは立派な『志』です。
つまり、『夢』であれ、『志』であれ、「他人(ひと・たにん)のために役に立つ」ということがとても重要なポイントなのです。
あなたが先ほど心の中で呟いた「夢」。それはとっても大切なことです。それをしっかり温め、育てていってください。そしてそれが、どのように、他人(ひと)のため、社会のためにつながるのだろうかと考えてみてください。
では、話をまとめます。
2学期はいろいろな活動をしました。そこでは学級や学年、あるいは学校全体のつながりを強めることにつながりました。つまり、自分が人のため、友だちのために役に立つことを学んだということです。
実は勉強だってそうなのです。僕が数年前に担任をしたある生徒が面談の時に言ったことにびっくりしたことがあります。
その生徒は「自分は、みんなのために勉強する。そしてりっぱな○○になります。○○になってみんなの役に立ちたい」と。
「自分のために勉強する」というのが普通の考えです。そこを一歩突き進んで「他人のために自分は勉強するのだ」というイメージができると、その人のステージが一つ上がると思います。すごいですよね。では、そのために、最後にもう少し、具体的にお話して終わります。
まずは、1年から4年生までの皆さん。冬休みは、おうちの人のお手伝いをしっかりしてください。お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん、兄弟・姉妹のために、例えば「掃除や料理を手伝う」、そんなふうに、家族の役に立つことを一つでも、多くやってください。いいですね。
次に、5年生、6年生、7年生の皆さん。「去年今年貫く棒のごときもの」。学校通信に書きましたが、読んでくれましたか。まもなく新年を迎えます。年を改めるにあたって、棒のように太い志をまずは「言葉に、文字に」してみてください。自分の部屋に貼ったりするといいですね。その志は、時間とともに変わっていってもいいのです。大切なのは、考え続けること。ときどき、それを取り出して、修正していくことです。年末年始は、そのとてもいい機会です。
最後に、8年生、9年生の皆さん。いよいよ自立の時を迎えます。しっかり自分を鍛えてください。打たれ強く生きる。つらいこと、苦しいことをしっかり受け止めるタフさが必要です。皆さんが進む道は、思うほど生やさしいところではありません。時として、あらぬ誤解を受けたり、思うように人が対応してくれなかったり、そんなことに出会うでしょう。それでも人は前向きに生きていかねばなりません。心身ともにタフ(頑強)になるために、勉強や部活動など、苦労を買ってでもやってみてください。特に、9年生はがむしゃらに、それこそ「血の小便」がでるほど、勉強してください。
これから冬休みに入りますが、担任の先生からの心構えをよく聞いて中央校生としての誇りを忘れないで過ごしてほしいと思います。
では、みんな元気で3学期にお会いしましょう。これで私からの話を終わります。
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