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思い出のアルバム㉝「石造物9」
入力日
2020年7月8日
内容
「知る人ぞ知る(知ってる人しか知らない)石造物」第9回目は、場所自体は割と有名なので「ノーヒント」です。
古代インドの文字は仏教とともに伝わり、日本では梵字(ぼんじ)とも呼ばれます。もともと経文を記す文字であったものが、密教の趨勢と共に仏の真言や仏そのものの象徴として使われるようになります。一文字で様々な仏の種類を表すものを種字といい、例えば石造物に刻まれた種字が分かれば何を祀ったものかを知ることができます。
写真の文字は「アーンク」と読む「胎蔵界大日如来」を表しているもののようです。密教では大日如来は宇宙そのものと考えていましたが、詳しく説明するにはとても紙面が足りないので、この文字はざっくりと「太陽を象徴する大日如来を表している」と思ってください。
さて、この写真はある石塔の一部分ですがこの下には意外に「神様」の文字が刻まれています。神と仏を区別せず信仰していた時代の有り様を知ることができるよい例だと思いますので、ぜひ町内を散策してみてください。
(参考文献「梵字入門」綜芸舎,1967)
※石造物の多くは信仰の対象であり、また私有地内に祀られる例もあるので、探訪される場合は常識の範囲で、礼節をもって、周囲の安全にも注意していただきたいと思います。
文化財専門員ケンジロウ
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