HOME >
- 社会教育 >
- 大町町ふるさと発見! >
- 思い出のアルバム㉜「石造物8」
思い出のアルバム㉜「石造物8」
入力日
2020年6月3日
内容
「知る人ぞ知る(知ってる人しか知らない)石造物」第8回目は「とある神社の参道」です。
画面中央、斜めに立てかけられているのは「板碑(いたび)」と呼ばれる供養塔です。この角度だと「半肉彫り(はんにくぼ・り)」と言われる平面でも完全な立体でもない表現技法がよくわかります。
この板碑は小型で、一体的に表現される上部の屋根型の部分や下部の基台部分も前後の張り出しがほとんどなく、肥前地方の板碑の変遷でも古いほうにあたりますが、板碑が「流行」した時期でもあり、町内各所でこのような例を見ることができます。
時代が下ると屋根型や基台の張り出しが大きくなり、また終末期には基台が方形の別の石になるなど見た目の変化は大きいのですが、紀年銘のある、あるいは判読できる資料がごくわずかで、年代の比定が難しい分野の一つです。
この板碑は手前にある「宝篋印塔(ほうきょういんとう)」の一部分(九輪)と共に、もともとはどこにあったのか、いつ誰がどのような目的で作ったものなのかは分かりませんが、今日まで残された姿にその時々の人の思いが見えてはこないでしょうか。
※石造物の多くは信仰の対象であり、また私有地内に祀られる例もあるので、探訪される場合は常識の範囲で、礼節をもって、周囲の安全にも注意していただきたいと思います。
文化財専門員:ケンジロウ
閲覧数
263,567