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小中一貫教育に関する令和2年度児童生徒意識調査結果
入力日
2021年1月8日
内容
ひじり学園は、小中一貫教育を行う九州初の義務教育学校です。学校視察受け入れは県内外の自治体・大学等48団体を数えます。小中一貫教育のメリットはとても多くのものがあります。中1ギャップの解消、学力向上、問題行動等の減少、教職員の授業力向上、1人校長による効果的な学校マネジメント等、本校でもその成果が見られています。
では、ひじり学園の児童生徒はどう感じているのでしょうか。平成28年度にひじり学園が義務教育学校になってから、各ブロックの最上学年である4、7、9年生と小学部の最上学年である6年生に毎年、意識調査を行っています。本年度の結果は下記のとおりです。
<本年度の結果>
小中一貫校への肯定意見は、4年生、7年生、9年生で調査開始以来最高の割合でした。小中一貫教育は、各ブロック最高学年児童生徒に好評です。特に4年生は、中学生と一緒に学校生活できることのよさを強く感じています。一方6年生は、調査開始以来最も肯定意見の割合が低かったです。50分授業やテスト中の中学生に気をつかわなければならないことへのストレスが感じられます。
中期ブロックの6・7年生の同一児童生徒追跡経年変化調査では、学年が上がるにつれ評価が下がっていく傾向があります。しかし、小中一貫校であることで、小学生にとって中学校生活への不安が解消していることや中学生が小学部の先生と会えることが肯定意見としてあがっていました。小中一貫校のよさは、どの学年からも児童生徒の交流活動や小中合同学校行事があげられています。
中学生の小中一貫教育への否定要因は、小学生との同居による校内の騒がしさです。特にテスト期間中に強く感じているようです。また、中学生は、教室移動のう回路・通行エリア・行ってはいけない場所が決められていることに対しての窮屈さ、煩わしさを訴えています。また、小中学生の交流が進むにつれ、中学生は小学生の言葉遣いや横柄な態度に不満を持っており、小学生に先輩を敬う態度が欠けていると感じているようです。
<本年度の考察>
小中一貫教育は概ね児童生徒に肯定的に捉えられているようです。小学生は、中学生をよいお手本としてあこがれている様子がうかがえます。どの学年も、小学生と中学生が仲良くできることに好意的で、今後も交流活動の充実は、小中一貫教育には不可欠であると考えます。複数の学年から小中学生の交流の機会が少ないとの意見も出されており、コロナ禍でいかに交流学習を実践できるか工夫が必要です。自分たちの学習の成果をお互い見てもらえることに喜びを感じている児童生徒もおり、単元設定終末の学習発表相手として設定することも学習意欲の継続に効果があると思われます。
5年生以上を50分授業に統一し、始業時間を揃えて校時運行の工夫をしたにも関わらず、中学生が小学生の騒がしさを感じています。一方で小学生は、中学生の騒がしさを感じていません。児童会生徒会で議論することも必要ではないかと思います。
小中一貫教育で注目される中1ギャップの解消に関連した意見では、6・7年生から中学生への心構えが事前にでき不安が解消されていること、5・6年生が中学部行事への参加できることなどが肯定意見としてあげられており、一定の効果が認められます。
小中合同体育大会は、地域住民には好評ですが、児童生徒には否定意見があります。意見のほとんどは、出場種目の減少に対する不満です。コロナ禍での小中合同体育大会の在り方の検討を行います。
今年も4年生の自由記述欄には、中学生を意識した意見ばかりで、調査開始以来ずっと自身が前期ブロックリーダーであることの記述が一切ありません。7年生も同じ傾向にあり、教育課程から中期ブロックリーダーというよりも中学1年生という意識が強いことがうかがえます。4・3・2のブロック制は、まずは、4・5制と捉え直し、5・6年生の一部教科担任制や4年生の活躍の場の充実などに取り組んでいきます。
いずれにしましても、教育委員会事務局とひじり学園教職員とが緊密に連携し、小中一貫教育の推進、義務教育学校文化の創造、児童生徒から出された課題の解決に取り組んでまいります。
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