入学式をおこないました。
入力日
2020年4月10日
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【入学式をおこないました】
2020年4月8日(水)に、令和2年度入学式をおこないました。
学校長式辞
春、新しい出会いのときです。
新入生の皆さん、入学おめでとう。心から歓迎します。そして、保護者の皆様には、新しいスタートラインに立たれたお子様の姿に、さぞお喜びのことと存じます。新型コロナウイルス感染の拡大抑止のため、本日は来賓をお招きしない形で行っておりますが、私たち職員一同、今日の佳き日をお祝いする気持ちでいっぱいでございます。誠におめでとうございます。
また、本日は県からマスクが配付されております。佐賀県知事からのお願いのメッセージも添えられておりましたので、後方の受付と各教室に掲示しております。
さて、新入生の皆さん。今の自分はどうですか。希望と期待に満ちていますか。やる気と決意が漲っていますか。皆さんはほんの少し前まで、中学校最高学年の生徒として、学校を牽引してきたことと思います。部活動であったり、委員会活動であったり、いろいろな場面で自発的に力を発揮してきたことでしょう。高校ではまた一番下の学年からのスタートということになりますが、縮こまることなく、是非、これまでに身に着けた力を生かし、進んで新しい環境に飛び込んで、中学校との違いを面白がりながら、高校生活に馴染んでもらえたらと思います。ここに集う同期生どうしが互いに親しく交わり、競い合いながら、先輩、先生方の指導をしっかりと吸収して、できる限りの成長を遂げる三年間を過ごしてくれることを期待します。
本校は、大正九年、旧制佐賀県立三養基中学校として創設されました。今年度が創立101年目となる伝統校であり、今年九月には創立百周年を祝う記念式典を皆さんと一緒に行う予定です。卒業生は二万人を数え、多くの同窓生が、三養基高校を今も応援してくださるとともに、東京や大阪など各地で活発に交流を続けておられます。
本校の校訓は「質実剛健」。「質実」とは、飾り気がなく、まじめなこと。質素で誠実なこと。「剛健」とは、強く逞しいこと。すなわち、「質実剛健」は、質素で飾り気なく心身ともに逞しい様子を言い、三養基高校生はそのようにあれということです。本校では、この「質実剛健」の校訓のもと、自主自律の精神を培い、知・徳・体の調和を図りつつ、社会に貢献する強い意志を持った人材を育成することを目指しています。
新入生の皆さんには、それぞれが自分の目標を見定め、ひたむきに取り組み、本校の伝統の上に更なる一頁を加えてほしいと願っています。
さて、高校生となる皆さんに願うことを二つ述べます。
一つ目は、良い習慣を身に着けることです。当然皆さんは、高校生活を人生究極の目的とは考えていないでしょう。高校の先には、進みたい上級学校であったり、就きたい職業であったり、そういうものが、まだおぼろげかもしれませんが、あるはずです。そのおぼろげなものに、やがてはっきりとした姿を見いだし、そこに到達するためには、これまで成長してきた今の皆さんから更に大きな成長を遂げなければなりません。その必要な成長幅は、学力ということに限ってみても、今の皆さんの想像を超える幅であると思います。その成長を遂げるために必要なものが、良い習慣です。良い習慣は人を助け、悪い習慣は人にまとわり決意をくじきます。「はじめは人が習慣をつくり、それから習慣が人をつくる。」とも言われます。是非皆さんには、日々異なる事情があるときも、決まった時間に机に向かうといったことを習慣にすることから始めてもらいたいと思います。
二つ目は、人と進んで触れ合うことです。高校は、幾つもの中学校から自分の意志で入学者選抜を乗り越えてきた生徒が集う場所です。ここに集った同期の仲間は、興味・関心や長所、得意なことや考え方など、一人一人さまざまです。自分とよく似た人との心を許した付き合いは、心地良く、そのような仲間を得ることは幸せなことですが、折角新しい境遇に身を置くのですから、価値観の違う人との出会いも生かしてほしいと思います。自分と同じでない人との出会いは、自分の幅を大きく広げるチャンスです。このチャンスは、皆さん一人一人に一様に与えられています。このチャンスに尻込みせず、ホームルーム活動や生徒会活動、部活動などいろいろな活動をとおして、多くの仲間と触れ合ってください。
以上、二つの願い、良い習慣を身に着けること、人と進んで触れ合うことを述べました。加えて、あと一つだけ、大切なことを伝えさせてください。皆さんはまだまだ成長の途上にあります。その成長の過程においては、人間関係がうまくいかなかったり、人に嫌な思いをさせてしまったり、人から嫌な思いをさせられたと感じたりする場面があるかもしれません。また、悩んだり困ったりしている人に気付くこともあるかもしれません。そのようなときは、一人で抱え込まず、周りの大人に相談してください。おうちの方も先生方も、皆さんの気持ちを汲みながら力になれると思います。
最後に、改めて保護者の皆様に一言ご挨拶申し上げます。
本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。高校で過ごす三年間は、若さの輝きに溢れる時期であると同時に、人生の方向を決定する大事な時期であり、悩みや苦しみの大きい時期でもあります。私達職員は、お子様が、自らの生きる道を切り開いていけるよう、全力で支援して参りますが、お子様の健全な成長を支え、豊かな個性を育てていくためには、家庭と学校がそれぞれの役割を果たし、補完し合いながら、連携を密にしていくことが重要だと考えております。是非とも本校の教育活動へのご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
それでは、新入生の皆さんの、今後の大いなる成長を期待するとともに、彩に満ちた高校生活を送られることを祈念して、式辞といたします。
令和二年四月八日
佐賀県立三養基高等学校
校長 久保山 文典