
令和3年度1学期終業式
入力日
2021年7月28日
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7月20日(火)、令和3年度1学期終業式をオンラインで実施しました。
岸川校長先生は講話で「今年は輝いているあなたがもっと輝くためのヒント」「助けを求めることができるような他者とのつながりを見直してみよう」の2つの話をされました。
「今日、1学期の終業式を迎えました。三者面談では、一人ひとりが1学期全体について担任の先生から「よく頑張った」とか、「もう少し頑張るように」等、指導や励まし等、助言をもらったと思います。これを2学期にどうつなげるかを考えきれる人と、聞き流しにする人では今ここで大きな差がつくはずです。
私からも、今日の終業式にあたり2つ話をしたいと思います。
1つ目です。
今年度の1学期は昨年度の1学期よりも何倍も生徒のみなさんが輝いているように見えます。それは言いかえると、昨年度よりも活躍の場が多く与えられ、チャンスが増えているということではないでしょうか。
コロナウイルスにより、現在もマスク着用、消毒、換気、人との間隔をとる等、新しい生活様式を受け入れ毎日を過ごしています。しかし、考えてみると、休校で対面の授業がなかったり、普通に友達に会えなかったり、高校総体が中止になったり、多くの大会が中止になった昨年度に比べると、制限がある中でも多くのことを今は実施することができています。ならば、時間を無駄にせず、今できることを精一杯やってほしいと私は思います。
そのヒントとして今、全米中を巻き込んでフィーバーを起こしている大谷翔平選手に注目したいと思います。コロナウイルス関連での不安がいっぱいの日本でも、早朝から夜のニュースまで大谷選手の話題がない日はないくらいです。私も大好きな人物です。
注目したのは大谷翔平選手が、夢をかなえるために、高校1年生の時に書いた「目標達成シート」です。今、皆さんの手元に配ってもらいましたので、ちょっと見てください。
まず、字が力強くとても丁寧だという好印象を私は持ちました。これが履歴書なら間違いなく一次試験は合格させたい人です。でもポイントはそこではありません。これは、高校1年生の2010.12.6に、岩手県花巻東高校時代に野球の監督、佐々木洋氏の教えで作ったもので、見たらわかるようにルーズリーフに書いています。必要な行動・要素を上げ「目標達成シート」にまとめたものです。
シートの中心、真ん中のマスに「ドラフト1位で8球団から指名されること」と彼は書いています。まず、目的や高い目標、テーマの設定をすることが大事なことだということです。自分が成し遂げたいと考えている目標を、漠然とでもよいから立てる。
次にシート中心の3×3のマスに目標を達成させるための要素を設定することです。大谷選手の場合、「体力づくり」・「コントロール」・「キレ」・「メンタル」・「スピード160キロ」・「人間性」・「運」・「変化球」の8要素です。
次に8つの要素を中心にしてさらにマスを作る。つまり行動を可視化、つまり見える化をすることです。
このシートは大谷選手が高校時代に活用していたことで世間に認知されました。別名「マンダラチャート」と呼ばれています。興味のある人は後で調べてください。
メリットは
〇やるべきことが明確になる
〇新しい発見がある
〇思考を整理できる などです。
8マスを最初から全部埋める必要ありません。別のテーマについて考えているうちに自然とマスを埋めたくなる、つながる、こともある。
最初から完璧なものを作ろうとせずに変えてアップデートしてもよいということです。
目標達成シートを作成することで不可能を可能にすることができる。これは大人になって働きだしてからのビジネスでも大いに役立つものです。これもやるかやらないかはあなた次第です。
例えば、大谷選手のシート下の段の「運」の小シートを見てください。その中に「ゴミ拾い」というマスがあります。このことについて、最近もTVで大谷選手が試合中にゴミを拾っていた場面がニュースになっていたことを知っていると思いますが、そのことを彼は「他人がポイっと捨てた運を拾っているんです」と答えていたのがかっこよかったですね。
また、これは書くことで意識が変わると考えることもできます。
できれば次はそのことを口にしてみましょう。「有言実行」です。
特に3年生、この夏は自分の進路目標を達成するために希望や願望を、目標や決意に変え、最後は「覚悟」に変化させる、昇華させることが大事です。
今日は大谷選手のノートをちょっとコピーさせてもらいました。(大谷選手には許可はもらっていませんが・・・)是非参考にしてください。
素晴らしいと思うものや紹介されたものは大いに試してみる、真似してみる価値があると思います。自分に合うか合わないかはやってみなくちゃわからないと思います。
さて、2つ目に伝えたいことは「他者とのつながりを見直す」ということです。
改めて、日頃自分という人間が何人の人たちと関わりがあるか、数えてみてください。家族、クラスの友人、先生たち、部活の友達、塾の先生、近所の人、親戚の人など考えただけでも両手で数えられる以上だと思います。ならばあなたを知っている人、見ている人は自分が思っている以上に多くいて実は関わってもらっているのではないでしょうか。それなのに、自分は自分に関わりのある人にきちんと向き合って目を見て、直接話やお願いなどができているでしょうか。
悩んだり、困った時に助けを求めることができますか?
イギリスのある調査によれば、「16歳~24歳が一番孤独を感じる年齢層となっている。孤独がより深刻な問題になっている」ということです。この世代はSNSを使う時間がほかの年代の人に比べ圧倒的に多いそうです。だから何かあった時でも電話で誰かに「助けて」とは言わないだろうということでした。言葉に出して発さないということです。
私はもしかしたら日本も同じような状況ではないかと心配しています。私たちは多くの人とのつながりの中で生きています。私自身のことを考えても何十人という人たちと繋がっていて、毎日助けてもらって生きています。もちろん生徒のみなさんより何十年も長く生きていればそりゃー当然だと思うと思いますが、皆さん自身もとにかく大勢の人とつながり、多くの人たちが見守り、知らぬ間に支えてもらっていることを自覚してほしいと思います。
長期休みであってもSNSとかではなく、言葉で直接気持ちを伝えたりできる環境や、もし悩んだり困ったりしたら誰かに助けを求める気持ちを持っていてほしいと思います。
2学期初めには白高祭が開催されます。一つのものを大勢で作り上げる時にはとてつもなく時間がかかるし、労力が要ります。面倒なこと、きついこと、時間がかかることだらけです。成功しても失敗しても、やり遂げた時の達成感は経験した人や共有した人でしか味わえません。顔を見て話し合いを重ねて白高祭を作り上げてほしいと思います。
ただ、人とのコミュニケーションが苦手な人もいるかもわかりません。そう思える人がいたらまわりの人は声をかけてください。
温かみのある声をかけ、人間関係を築くことで人はお互いやさしくなれるはずです。
以上2点、
〇今年は輝いているあなたがもっと輝くためのヒント、大谷選手の「目標達成シート」について
〇助けを求めることができるような他者とのつながりを見直してみよう。
今夜寝る時に、自分バージョンに置き換えてもう一度考えてください。