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第一回卒業式 学校長式辞全文

白石高等学校 令和二年度、第一回卒業証書授与式 学校長式辞

 

式辞 

 

 厳しかった冬の寒さもようやく和らぎ、新しい木々や草花が芽吹く春の到来を感じる季節になりました。

本日、川﨑PTA会長様、松尾同窓会会長様、並びに保護者のみなさまの御臨席を賜り、ここに白石高等学校第一回卒業証書授与式を挙行できますことはまことに光栄であり厚くお礼申し上げます。

 

ただいま、卒業生百九十五人に卒業証書を授与しました。卒業生のみなさん、卒業おめでとうございます。

皆さんは、まさにこれから白石高校の新しい歴史を創るパイオニアとしてここを巣立っていきます。

さかのぼれば、三年前、平成最後の春に、旧白石高校と杵島商業高校の再編・統合により県内初の校舎制による新しい学校として、新たな歴史を歩むことになりました。今年度校長として白石高校に来た私は、三人の生徒に入学してきたときの気持ちを尋ねたことがあります。すると「新しい高校で何か変わるかもしれない。幅が広がるかもしれない。新しい出会いにワクワクして入学してきた」と答えてくれました。そして今年度ようやくすべての学年が揃い、さあ、生まれ変わった新しい白石高校として、地域をはじめ県内外で皆さんの活躍をアピールしたいと強く思いました。

ところが、二〇二〇年、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大という誰もが予測しなかった事態に直面し、一年前とは全く異なる光景が広がりました。そして今も不安や心配な思いをしています。ちょうど一年前の明日、三月二日から全国一斉に学校が休校になり、私たちは新しい生活様式を求められ、この一年間、みなさんにも我慢を強いてきました。

しかしコロナ禍で頑張った姿を私たちは忘れていません。一つは、高校生の集大成として目標としてきた高校総体や全国高等学校野球選手権大会など、多くの大会が中止となる中、佐賀県ではその代替大会としてSSP杯が行われ、三年生の皆さんは、最後まで頑張ってくれました。もう一つは九月九日、心ひとつに「第一回白高祭」を成功させたことです。台風で延期した体育祭当日の早朝、まさかの大雨にも迅速に対応する、両キャンパスの三年生のリーダーシップは見事であり、記憶に残る誇らしい体育祭になりました。

また、県内唯一のモデル校に指定されている「地域とつながる高校魅力づくりプロジェクト」では、「持続可能な社会づくりの担い手を育む教育」をそれぞれの学科の強みを生かし、地域三町と連携しながら実施してくれました。課題解決に向けて取り組む姿勢は主体的であり、次の時代を安心して託すことができると頼もしく思いました。

世の中の「当たり前」が崩れ、大きく変わりましたが、両キャンパスをつなぐオンライン集会や、オンライン授業など、このコロナウイルス感染症から新たに学んだことや、できた経験も多くありました。それは、新たな時代を生きる皆さんにとって必要不可欠な方法手段です。これからは学校で学んだことを使って、自分の人生を自分自身の手で、料理、味付けしていってほしいと思います。

高校の再編・統合や、コロナ禍など、大きな変革の時代を体験した皆さんだからこそ、これからぶつかるかもしれない壁も乗り越えることができると信じています。

 

四月から、あるいは数年後、社会人になる皆さんへ、私から二つの言葉をはなむけとして送ります。

一つ、「Think globally, act locally」

地球規模、世界規模で物事を考え、想像し、そして地域や周囲の人、友人を思いやり、足元をしっかり見つめ、絶えず学び続ける、行動できる大人になってください。

二つ、「我以外皆教師」

人との出会いを大切にしてください。人は人から学ぶことによって育ちます。人の器は「素晴らしい人との出会いの数」と言えるかもしれません。常に謙虚な気持ちで何事も吸収していってほしいと思います。

そして、最後に、校長として伝えたい夢があります。それは、白石高校第一回生として入学し、別々のキャンパスで学び、交わることが少なかったかもしれない皆さんが、いつの日か、十年、いや、二十年、もっと先であってもいい、同じ白石高校の第一回同窓生として再び出会い、助け合うことができる、そんな素晴らしい日が来ることを夢見ています。

後に続く後輩たちが、人生の先達として慕い、あこがれ、目標にする存在となってくれることを願っています。

最後になりましたが、保護者のみなさま、お子様のご卒業、誠におめでとうございます。お子様のきょうの姿はまぶしく、喜びもひとしおと拝察いたします。この三年間、保護者のみなさまから本校教育活動に対する深いご理解、御協力を賜りましたことに心から感謝申し上げます。

 結びに、進む道はそれぞれ異なりますが、両キャンパスを巣立ちゆく皆さんの前途が、健やかで幸多からんことを心から祈念し、式辞とします。

 

令和三年三月一日          

佐賀県立白石高等学校

校 長  岸川 美和子           


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