居蔵造りと西岡家
■居蔵造と西岡家
塩田津の代表的な建築に居蔵造があります。この建物がどのようにして造られ
るようになったのか、また、どの様な特徴があるのかを説明したいと思います。
1. 居蔵造以前の建物
居蔵造以前の建物として、代表的な家は、この下村家です。2008年には嬉野市
指定文化財になりました。この建物は江戸時代後期の1800年代に建てられました。
この建物の特徴は、草ぶき屋根、クド造の簡素なつくりとなっています。
クド造とは、この絵のように、上から見るとカタカナの「コ」の字の形をして
いる造りです。昔の竈(かまど)の形に似ているので、このように呼ばれるように
なりました。
これは、下村家の中の様子です。クド造の家は、火事で火が燃え広がりやすい
という問題がありました。
2. 居蔵造の登場
そこで登場したのが居蔵造の家です。上の写真は、居蔵造で建てられた西岡家
です。1885年、江戸末期に建てられ、国の重要文化財になっています。下村家と
違い屋根は瓦ぶきで、壁は漆喰で厚く覆われています。
これによって、下村家と比べて火事で火が燃え広がりにくくなっています。
上の写真は、西岡家の壁です。壁が弧を描いて作られていて、火に強い工夫が
なされています。
3 . 西岡家の内部
上の写真は、西岡家の内部です。見て分かるように部屋が三段に分かれています。
一番低い所は、主に商売をする所です。昔は、ここでほとんどの人が商売をして
いたそうです。真ん中は居間で家族の人が生活をしていたところです。一番高い所
は、客間です。昔の人は、ここでお客さんをもてなしていました。前に見える柱は
幅が28㎝もあります。これは今の家の三倍くらいの大きさです。しっかりした造り
になっています。
この部屋は、客間で書院造になっています。とても豪華な造りで、西岡家の繁栄
が分かります。
上の写真は、座敷の間にある欄間です。組子細工で美しい装飾がなされています。
この欄間の形は、豪華列車「七つ星」にも使われています。
上の写真は、矢羽根の天井です。木目がとても美しいです。とても豪華な造りに
なっています。
4 . 学習して分かったこと・思ったこと
・クド造りの家は、火事で火が燃え広がりやすい事があって、大変だったという
事が分かりました。
・西岡家は豪華なだけではなく、火事になりにくい工夫がなされていて凄いなと
思いました。
・塩田港があったおかげで、船で商売をする人が栄え、こんな豪華な家が建てら
れたことが分かりました。
・塩田津の素晴らしい建物をたくさんの人に見てもらいたいと思いました。