HOME >
- 教育活動 >
- 全国 佐賀県学習状況調査 >
- H31年度(令和元年) 「全国学力・学習状況調査」結果についてのお知らせ
H31年度(令和元年) 「全国学力・学習状況調査」結果についてのお知らせ
入力日
2019年11月8日
内容
平成 31 年度(令和元)「全国学力・学習状況調査」結果についてのお知らせ
佐賀市立鍋島中学校
4月に文部科学省による学力・学習状況調査を実施しました。これは,義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,児童生徒の学力や学習の状況を把握・分析し,教育施策の成果と課題を検証し,改善を図ることが目的です。学校においては,児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てることやこれらの取組を通じて,教育に関する継続的な検証改善を確立することを目的としているものです。
今回の結果を基に,本校生徒の学力の傾向を分析し,学力向上について対応策をまとめました。その概要についてお知らせいたします。
■ 調査期日 平成31年4月18日(木)
■ 調査の対象学年 中学校3年生
■ 調査の内容
(1) 教科に関する調査
主として「知識」に関する問題,「活用」に関する問題の区別はなくなった。
したがって今年度は〔国語,数学,英語,英語の「話すこと」〕の教科で実施。
・実生活において不可欠であり,常に活用できるようになっていることが望ましい知識・技能など
・知識・技能等を実生活の様々な場面に活用する力などにかかわる内容
・様々な課題解決のための構想を立て実践し評価・改善する力などにかかわる内容
・身に付けておかなければ,後の学年等の学習内容に影響を及ぼす内容
(2) 生活習慣や学習環境に関する質問紙調査
児童生徒に対する調査 学校に対する調査 ・学習意欲,学習方法,学習環境,生活の諸側面に関する調査 ・指導方法に関する取組や人的・物的な教育条件の整備の状況,児童生徒の体力・運動能力の全体的な状況等に関する調査 ■調査結果及び考察について
全国学力学習状況調査は中学3年生(小学6年生)と限られた学年が対象であり,教科は国語と数学(算数),英語に限られています。さらに,出題は各教科の限られた分野(問題)です。したがって,この調査によって測定できるのは,「学力の特定の一部分」であり「学校教育活動の一側面」であることをご了解の上,ご覧ください。
調査結果及び考察
1 国語
(1)結果 全国正答率との比較
全国・県の平均とはほぼ変わらないが,自分の考えをまとめて書く項目においては,条件などが正しくとらえられていないまま書き始めてしまう生徒が多いため,不正解率が高くなっている。また,文章で表現する問いに対しては,最初からあきらめて空欄にしている生徒が多くいる。漢字の表記や選択問題については正答率が高い。
(2)成果と課題
話す・聞く
話を聞いて要点をメモしたり,話の展開に即して発言内容を考えるたりすることが求められる。朝会や集会,講演会などの機会をとらえ,継続的に指導をしていく必要がある。
書く
限られた字数の中で,過不足なく必要事項を盛り込むことが求められる。主述のねじれがないよう,簡潔に文章を書く練習が必要である。良文の音読・視写などが効果的である。
読む
文脈に即して語句の意味を的確にとらえることや根拠と主張の関連に注意しながら内容を理解することなどに課題がある。学年が上がるに従い,文章の内容が抽象的になってくるので,一段深まった思考が求められている。
言語事項
同音異義の漢字の書き分け,慣用句や四字熟語を使いこなす力に課題がある。辞書を引く習慣や実際に使う場面が生活の中に確保されるとよいと思う。
(3)学力向上のための取り組み
【学校では】
・何を学ぶのかという学習のめあて,何を学んだかという振り返りを徹底して行っています。
・グループやペアでの話し合い活動を通して,一人一人が主体的に学べるようにしています。
・文章で表現する活動を随所に織り込み,考えをまとめたり広げたりする活動をしています。
【ご家庭では】
・新聞や報道番組に触れる機会を通して,ものの見方,考え方を深め広げるようにしましょう。
・漢字やことわざ,四字熟語などに触れ,実際に使う機会をつくりましょう。
・日常生活の中で読書に親しみ,豊かな知識と感性を育むようにしましょう。
2 数学
(1)結果 全国正答率との比較
本校の正答率は,全体的に県よりも高いが,全国レベルにはもう少しというところである。基礎的な知識を問う問題や計算などの技能の問題は,県や全国の平均よりも高い。しかし,活用力を問う問題では,県や全国平均を下回っている。特に「図形」領域が高く,「関数」の領域が低いことが上のグラフからもわかる。
詳しいところでは,四則計算の考察,反比例の式を求めることが良くできている。また課題は,数学的な解釈と説明の問題,事柄が成り立つことを説明する問題であり,いずれも記述式の問題である。これは問題場面における考察の対象を明確に捉えることができていないからであろう。
(2)成果と課題
数と式
基礎的な四則演算の問題の正答率は高い。しかし,数量の大小関係を不等式に表す,数量関係を等式に表す問題への正答率は高くない。文章を読み取り,立式する能力が不足していることが課題である。
図 形
基礎的な用語に関する問題の正答率は高い。しかし,公式を活用した問題への正答率は高くない。公式を丸覚えするのではなく,公式の意味を理解することが課題である。
関 数
一次関数の基礎的知識は身についている。しかし,文章から必要な情報を読み取り,事象を数学的に解釈し,グラフに記入するなど問題解決に向けて活用する能力を育てる必要がある。
資料の活用
1年次の「資料の活用」における基本的な「語句の意味」や「活用の仕方」は理解している。しかし,2年次の「確率」分野における技能が十分定着していない。テストや演習を通して,確実に定着させていく必要がある。
(3)学力向上のための取り組み
【学校では】
○授業において,「めあて」と「振り返り」を常に子どもたちに意識させた取組をしています。
○グループ活動やTT授業を取り入れ,毎日の授業の中で一人ひとりのつまずきを早期に見つけ,支援をしています。
○「週末課題」に取り組ませ,問題を解く楽しみや,できた達成感を高め,基礎・基本の徹底を図っています。
【ご家庭では】
〇子どもたちが,「問題」を解いている様子を時々観察して,理解の様子の確認をお願いします。
〇週末は必ず「週末課題」を持って帰っています。確実に取り組むよう声かけをしていただきたいです。
3 英語
(1)結果 全国正答率との比較
全体として,県平均正答率を上回ることができた。特に短答式の問題形式に対して県平均を上回ることができたのは,日々授業内でのペアワークの成果である。一方で,記述式の問に対する正答率が低い。自己表現をするためのインプット活動を授業で繰り返し実施した上で,アウトプットする活動に取り組ませる必要がある。
(2)成果と課題
聞くこと
7問中全国平均正答率を上回ったのは1問,佐賀県平均正答率と比較すると,2問である。絵や語句を答える問題に対しての正答率は高い一方で,自分の意見(アドバイス)を書く問題の無回答率が高い。「聞いて書く」複数技能を求められる問いに対しては苦手意識が強い。
話すこと
5問中全国平均正答率を上回ったのは2問であった。残り3問の正答率は非常に低かった。初めてのスピーキングテストということで慣れない部分も感じられた。正答率が高かった問題は,去年定期テストに出題していた内容であったためと考えられる。
読むこと
6問中全国平均正答率を上回ったのは1問,佐賀県平均正答率と比較すると,3問である。一方,無解答率が高かったのは,自分自身の考えを表現する内容の問題である。
書くこと
8問中全国平均正答率を上回ったのは3問,佐賀県平均正答率を上回ったのは4問であった。特に記述式の問題に対しての無回答率が高い。一方で,短答式の問題に対する正答率は高いので,授業でのペアワークの成果だと考えられる。
(3) 学力向上のための取り組み
【学校では】
・海外の文化に興味をもたせるような情報を授業で与えています。
・授業の「めあて」を工夫し,その授業で何を理解すればよいのかをわかりやすくし,見通しを立てやすくしています。
・ペア学習や学び合い活動を通して,コミュニケーション能力を高める取り組みをしています。
【ご家庭では】
・ワークや単語学習などの課題を定期的に出しています。家庭での声掛けをお願いします。
・語学学習にコミュニケーション力は必須です。海外に関する番組も多く放送されています。そういった内容を通して,子供と話す機会をもってほしいです。
4 生活習慣や学習習慣に関する調査
(1)結果
《生活習慣について》
調査の項目
本校%
県%
全国%
朝食を毎日食べていますか。
94.1
94.3
93.1
毎日,同じくらいの時刻に寝ていますか。
81.8
81.2
78.0
毎日,同じくらいの時刻に起きていますか。
96.3
93.8
92.8
・就寝時間と起床時間の習慣化が,全国や県の平均を上回っている。
・朝食を毎日食べる割合が,県平均より下回っている。
《家庭学習の様子》
調査の項目
本校%
県%
全国%
平日3時間以上勉強している。
3.2
5.6
9.9
平日2~3時間勉強している。
21.9
20.9
25.6
平日1~2時間勉強している。
39.0
36.4
34.3
平日30分~1時間勉強している。
28.9
22.4
17.2
平日30分より少ない。
5.3
9.5
8.4
家で,自分で計画を立てて勉強をしていますか。
44.9
50.2
50.4
読書は好きですか。
77.5
68.4
68.0
新聞を読んでいますか。
9.1
15.3
12.7
・学習時間の分布を見ると平日3時間以上の割合は,全国・県平均より下回っているが,
平日2~3時間の勉強の割合は県平均を上回っている。
・自分で計画を立てて勉強する生徒の割合は,全国・県平均を下回っている。
・読書が好きな生徒が多く,図書館を積極的に利用しているが,反面,新聞はあまり読まない傾向がある。
調査の項目
本校%
県%
全国%
自分には,よいところがあると思いますか。
70.6
72.4
74.1
先生は,あなたのよいところを認めてくれていると思いますか。
88.6
80.8
81.5
将来の夢や目標を持っていますか。
71.6
70.1
70.5
家の人(兄弟姉妹を除く)と学校での出来事について話をしますか。
70.1
73.7
76.4
学校は楽しいですか。
89.3
82.7
81.9
学校の規則を守っていますか。
97.3
95.7
96.2
人が困っているときは,進んで助けますか。
89.8
87.1
85.9
いじめは,どんな理由があってもいけないことだと思いますか。
95.7
96.3
95.1
人の役に立つ人間になりたいと思いますか。
95.7
95.2
94.3
・自分のよい所を先生が認めてくれているという安心感があり,自己有用感が高い。反面自分によいところがあると思っている生徒は,県や全国と比べて少ない。
・学校の規則を守り,将来の夢や目標を持って楽しく学校生活を送っている生徒が多い。
・家の人と学校での出来事について話をしている割合が,県や全国に比べ低い。
・いじめはどんな理由があってもいけないことだと思っている割合が,県に比べ低い。
(2)改善に向けての取り組み
【学校では】
・家庭学習においては,鍋島中校区の小中連携で作成した「家庭学習のパンフレット」を活用し,保護者との連携を図りながら家庭学習の充実に取り組みます。
・放課後等補充学習(3年生)を通して,予習・復習の充実に取り組みます。
・毎月1日の「いじめ・いのちを考える日」を充実させ,いじめに対する意識をさらに向上させます。
【ご家庭では】
・家庭学習が定着するよう,本校や県が作成した「家庭学習のパンフレット」を活用されながらご支援をお願いします。
・ゲームやSNSに時間を使い過ぎないように,時間などについて,家庭での約束ごとを決めてください。
家庭学習の充実に向けて
~開成小・鍋島小・鍋島中~
学習を進めていく中で,鍋島中学校校区の3校では,3つの玉を大切にしていきます
閲覧数
1,465