ふれあい美術展
入力日
2023年3月10日
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ふれあい美術展
県立特別支援学校高等部のアート作品を紹介する「ふれあい美術作品展」が、唐津市近代図書館美術ホールで開催され、本校からも出品しました。
本校の美術の授業では、「思いを表現すること」を大切なテーマとしています。
表したいイメージを形にするために、材料の選択や道具の使用、表現技法についても時間をかけてじっくり学びます。
視覚で得た情報を頼りに造形活動に取り組むのではなく、感覚の優れた指先や、掌全体を使って繰り返し触察したり、これまでの学習や経験をもとに培った色や形のイメージを駆使したりしながら造形活動に取り組みます。一つひとつの工程を大切に、何度も何度も手で触れて、考えて、思いを形にすることを決してあきらめない。完成した作品には「大切な思い」が詰まっています。
「壁」
佐賀県立盲学校 高等部普通科3年 MA
今回私は「壁」というタイトルで作品づくりに取り組みました。現在の私が表現したいものとして「壁」があてはまるなと思いこのタイトルにしました。これまでも乗り越えてきた壁がありましたが、高校3年生になり、受験という大きな壁を乗り越えなければならないタイミングがありました。また、これからも様々な壁が立ちはだかってくると思います。私はまだまだ壁を登っている途中です。今後どんなに大きな壁にぶつかっても、強い気持ちで立ち向かい、挑戦し続けたいという気持ちを込めました。
作品では段々になっている部分が壁を表しており、先の長細い部分は未来に向かって伸びていっている様子を表現しています。壁の表面の凸凹した模様は、壁を登っていく途中の険しさ、厳しさを表しています。丸い粒は私を表しており、壁をだんだん登っている様子を表しています。私が下から少しずつ大きくなっているのは、未熟で消極的な私から少しずつ成長していっている様子と、これから成長し続けたいという気持ちを込めました。
この作品をつくるにあたって難しかった点は、自分の思いをどのように形にするのかです。また、つくっている作品の状態を触って頭の中でイメージすることや、どこを削るとどのような形になるか考えることがとても難しかったです。削りたい場所やどのように削るかで道具を使い分けることも慣れるまではとても苦労しました。しかし、手で触って確認をすることで、目に頼らなくても楽しく作品づくりに取り組むことができました。使う道具がどのような形でどのように削れていくのかを確認をしました。その他にも自分が削りたい場所を手で触ったり、削った部分がどれくらいの深さでどれくらいの幅で削れているのか、丁寧に細かく確認をしました。手で触って作品の形、大きさ、彫った部分の深さ、手で触った時の感触を確認し、完成させていきました。
今後、壁の上に乗っている丸い粒の私がもっと大きく成長していけたらいいなと思っています。