学校長あいさつ

 国見中学校勤務2年目となりました、校長の加藤吾郎と申します。

 新型コロナウイルスに翻弄され、生徒たちの活躍の場が数多く失われたこれまでの3年間でしたが、少しずつではありますが、ようやく本来の姿に戻りつつあります。

 学校は、本来、様々な体験を通して、失敗と成功を繰り返すなかで、学び成長する場であると考えています。3年生にとって残された期間は、あまりありませんが、これまで活動できなかった分を少しでも取り戻してくれればと思っています。そして、本校が「自ら気づき、考え、判断し、主体的に行動する生徒が育つ学校」だったと実感してもらえるよう全力で取り組んでいきたいと思っています。

 特に今年度は、授業改善として、『学び合い』による授業を取り入れ、校内研究に取り組んでいます。先生が板書をしながら、時折質問を行い、教科書の内容を説明し、生徒はただひたすら板書をノートにとるといったスタイルではなく、その日の授業のめあてを全員が達成できるよう、生徒相互に教えたり教えてもらったりするスタイルです。隣同士やグループではなく、教室の端から端まで歩き回って、意見や考えを互いに聞いてもらうこともあります。その繰り返しの中で、意見や考えのもととなった根拠や理由は何かを知ることで、それまでの自分だけではたどり着かなかった新たな考えが生まれることもあります。

 先日、元文部科学副大臣・前文部科学大臣補佐官で、現在東京大学教授の鈴木寛先生のお話を聞く機会があり、その中で「VUCAの時代」という言葉がありました。これは、Volatility(不安定・揮発性)、Uncertainty(不確実)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(あいまいさ)の頭文字をとったもので、今の子どもたちが生きていくこれからの時代を表現したものです。冒頭に書いた新型コロナウイルスの世界的な感染はまさに当てはまると思います。今後、2040年代半ばには、人工知能が人間の知能を上回るともいわれています。さらに、最近よく話題になっているChatGPTのことも。

 「VUCAの時代」にあっては、知識の暗記や再生だけでは、正解や答えが一つとは限らない問題に、たちうちできません。困難な問題と向き合いながら、一人ではなく異なる立場や考えを持った多くの人と意見を交わしながら、より良い方法、最適解を見つけだそうとすることが必要だと思います。その基礎を培うことができればと思っています。今年度もどうぞよろしくお願いします。

 

※ この絵は校長室に飾られている、第9代校長の村岡一先生が描かれた絵です。平成23年度に改築される以前の管理棟正面玄関です。本校卒業の皆さんにとっては懐かしく思われるのではないでしょうか。


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