三味線と長唄に親しもう(5年)
入力日
2024年2月15日
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佐賀県教育委員会に届け出て、教員免許状をもたないけれど、優れた知識や技術を有する人材を非常勤講師として幅広く学校教育に活用させてもらうための「特別非常勤講師制度」という制度があります。
金立小学校ではこの制度を利用して、今年度、長唄演奏家で三味線方の杵屋 五洲 (きねやごしゅう)先生に来ていただき、4年生、5年生、6年生の音楽の授業で、日本の伝統的な音楽についての授業を行ってもらうことにしています。
2月14日(水)の3校時と4校時は、5年生の授業を行いました。
5年生は、1年前に一度、学習をしていましたので、まずは1年前のことの振り返りから行いました。5年生の子どもたちはよくおぼえてくれていました。最初に、長唄「勧進帳」から「滝流しの合方」を聴かせてもらいました。そして、楽器のことについても、もう一度、教わって、いろいろな質問をしていました。
昨年度は、「日本の四季」ということで、春夏秋冬の音楽を演奏してもらいましたが、2年目の今年度は、歌舞伎の中のいろいろな場面で演奏される三味線の音楽を聴かせてもらいました。
舞台のセリが上がってくるときに演奏される「セリの合方」や三味線で琴の演奏を模したような「琴の合方」など、4つの曲を聴きました。昨年に比べると、ちょっとイメージするのが難しかったと思いますが、「琴の合方」などは、その雰囲気をつかんで、多くの子どもたちが気付くことができていました。
この後、昨年は長唄「勧進帳」の「これやこの 往くも帰るも別れては 知るも知らぬも 逢坂の山かくす」の部分を唄うことに挑戦しましたが、今回は、同じ「勧進帳」の最も感動的な場面の1つである「つひに泣かぬ弁慶も 一期(いちご)の涙ぞ 殊勝なる 判官(ほうがん) 御手を取りたまひ」の部分を唄うことに挑戦しました。全体的に速度もゆっくりでたっぷりと唄うところなので、なかなか難しいのですが、さすが、昨年度に一度、経験している5年生はなかなか上手でした。
五洲先生の節回しをよく聴きながら、上手に真似していました。日本の伝統的な音楽では、西洋の音楽のようなきちんとした楽譜があるわけではなく、基本は、しっかりと耳で聴いて模倣するということから始まります。
日本の伝統的な音楽の一つである「長唄」やその音楽が用いられる「歌舞伎」などは日頃なかなか目に触れることは少ないかも知れませんが、現代にも、脈々と受け継がれている日本の音楽文化の一つです。このような体験が、これから子どもたちが出会ういろいろな音楽とのよい関わりをもつことにつながってくれると嬉しいですね。