校内研究
令和6年度 校内研究について
1 研究主題
「9年間を見通した基礎学力の定着と実践的コミュニケーション能力の育成」
~ 個に応じた指導方法の工夫を通して ~
2 主題設定の理由
本校は、唐津市北部玄界灘に浮かぶ人口111人(令和4年12月現在)の離島である。近年、島の人口減少が顕著であり、それに伴い、本校の児童生徒数も激減している。
前年度までは複式で、1単位時間に1人の教師が2学年の児童の授業をする必要があった。その中で、ともすれば単調な学習の繰り返しになったり、受け身的な学習になったりするという反省をもとに、学習内容を児童と教師が共有したり、時間を設定し、まず自分で課題に取り組ませ、児童の振り返りに対する複数の教師によるフィードバックを行ったりすることで、児童自身が課題を見出したり、次の時間の見通しを立てたりするなど、学習意欲の向上につながることが分かった。
そこで、今年度は、「9年間を見通した基礎学力の定着と実践的コミュニケーション能力の育成のために、個に応じた指導方法の工夫を行うことを手段とする。具体的には、①指導の個別化と②学習の個性化を行う。急速に変化する社会を生き抜くためには、個々の児童生徒が自らの課題を見出し、その解決や内容の充実のために、前向きに学びに向かうことが必要である。また。教科書にある問題を解決するだけにとどまらず、その知識・技能を生かして、他者と協働しながら社会的な問題の解決に向かう力も求められている。
これまで身に付けてきた「実践的コミュニケーション能力」を、児童生徒が将来にわたって生かしていくためには、個に応じたより良いキャリア実現が必要となってくる。そのためには、基礎的・基本的な学力の定着はもちろんのこと、主体的・対話的な深い学びを実現させ、他者との交流の中で、他者を受容しつつ自分の考えや言動をさらに高めていく経験やスキルが必要である。
以上のことから、極小規模校という本校の強みを生かし、9年間の系統性と個に応じた授業の工夫に取り組み、生きて働く「基礎学力の定着」と「実践的コミュニケーション能力」の育成を目指すこととした
3 「実践的コミュニケーション能力」について
本校が考える「実践的コミュニケーション能力」とは、自分の考えを「話す力」、相手の話を「聴く力」、自分の考えを持ち「質問する力」、さらにこの3つの力を活用して自ら課題発見や課題解決を行うことのできる「話し合う力」からなるものである。「話し合う力」には、目的のために話し合いを行っていこうとする態度も含まれる。また、表情やうなずきなどの言語以外のコミュニケーションの重要性も、実際の学習や生活の中で体得していく必要がある。これらの能力は、学校だけでなく、実際の生活や今後の社会において主体的・対話的に学び続けるために必要となるものである。