校内研究

 

令和5年度 校内研究について

 

1 研究主題

「9年間を見通した基礎学力の定着と実践的コミュニケーション能力の育成」

~ 主体的・対話的で多様な学習活動を通して ~

 

2 主題設定の理由

 本校は、唐津市北部玄界灘に浮かぶ人口114人(令和4年9月現在)の離島である。近年、島の人口減少が顕著であり、特に若い世代が定着しないために高齢化が進んでいる。それに伴い、本校の児童生徒数も激減し、令和5年度は児童5名となっている。こうした極小規模校には、個別指導が行いやすい等の利点がある一方、社会性の育成に制約が生じることをはじめ、多くの教育課題が存在する。特に、離島にある本校では、全ての生徒は中学校卒業と同時に島を離れ、自立した高校生活を営むことになる。

 本校では、平成30年・令和元年度には、「国立教育政策研究所 教育課程研究指定校事業【へき地教育】」「佐賀県教育委員会指定【へき地教育】」を受け、「実践的コミュニケーション能力の育成~主体的・対話的に学ぶ児童生徒を目指して~」の研究主題を設定し、研究を行ってきた。研究の実践では、日頃からテレビ会議システムを利用した他校との交流学習、合同スピーチタイム等を継続して実践してきたことで、その場で臨機応変に対応しながら話したり、聞いたり、質問したりする力、いわゆる「実践的コミュニケーション能力」を身に付けることができた。

 そこで、今後もTeamsやZoom等のリモート会議システムを利用した「実践的コミュニケーション能力」の育成に継続して取り組んでいく。また、これまで身に付けてきた「実践的コミュニケーション能力」を、児童生徒が将来にわたって生かしていくためには、個に応じたより良い進路実現が必要となってくる。そのためには、進路実現のための基礎的・基本的な学力の定着はもちろんのこと、主体的・対話的な深い学びが必要である。

以上のようなことから、極小規模校で小中併設校という本校の強みを生かし、9年間の系統性を意識しながら、主体的・対話的で多様な学習活動に取り組ませ、「基礎学力の定着」と「実践的コミュニケーション能力の育成」とを目指すこととした。

 

3 「実践的コミュニケーション能力」について

 本校が考える「実践的コミュニケーション能力」とは、自分の考えを「話す力」、相手の話を「聴く力」、自分の考えを持ち「質問する力」、さらには、この3つの力を活用して自ら課題発見や課題解決を行うことのできる「話し合う力」からなるものである。「話し合う力」には、目的のために話し合いを行っていこうとする態度も含まれる。そしてこの能力は、学校だけでなく、実際の生活や今後の社会において主体的・対話的に学び続けるために必要となるものである。


4 「話す力」「聴く力」「質問する力」の育成について

 一人ひとりに応じた充実した個別指導やTeamsやZoom等のリモート会議システムの活用、多様な行事に取り組んでいるという本校のよさを生かすために、「どの場面で、どの力を、どのように育成するのか」を意識することで、限られた時間の中でも児童生徒一人ひとりに応じて目標とする力を育成することが可能となる。

 例えば、授業においては、一時間の中に必ず自分の考えを発表する場面を入れることで、「話す力」を育成し、考えさせた上で質問をすることで「質問する力」を育成する。また、単元の効果的と思われる場面でTeamsやZoom等のリモート会議システムを活用した学習活動や交流等を仕組むことで身に付けた力を発揮することができると考える。

 

 

 


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